研究課題/領域番号 |
21K04624
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 (2022-2023) 東北大学 (2021) |
研究代表者 |
三浦 大介 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90708455)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 磁気異方性 / 有限温度磁性 / 遍歴電子磁性 / 結晶磁気異方性 / 有限温度 / 有限温度遍歴磁性 / 帯磁率 / 有限温度磁気特性 / 金属強磁性 / 微視的理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,実用磁性材料として重要なFeやFePt,パーマロイといった金属磁性材料を対象物質とした有限温度磁気特性に関する理論研究であり,以下の3点を目的とする: (i) 強磁性金属の帯磁率を定量的に記述するための理論を,単に形式的に書き下すだけでなく,実際に数値計算可能な形式に新規構築し,その実行可能性を示すこと. (ii) 上記理論により帯磁率を全温度領域において統一的に記述し,その温度特性の支配因子を解明すること. (iii) 異方性磁場や磁気異方性定数といったその他の物理量との相関を示し,それらが示す温度特性を解明すること.
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研究成果の概要 |
本研究では一軸磁気異方性を有する強磁性金属を想定し,微視的立場から種々の磁気特性の温度依存性を議論した.一般に,遍歴電子有限温度磁性理論をCurie点の高い物質に適用することは計算機負荷的に難易度が高いが,我々はコヒーレントポテンシャル近似を用いることでこれをクリアし,以下のような成果を得た:(1) Curie温度として現実的な値が得られた.(2) 縦・横帯磁率においてCurie-Weiss則を再現することができた.(3) 結晶磁気異方性定数の温度依存性についてAkulov-Zener-Callen-Callen則を再現することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,環境負荷が小さく且つ特定国に偏在しない磁性材料に対する社会的関心が高くなってきており,特に,重希土類を用いない実用材料の開拓が求められている.遷移金属合金は有力な候補の一つであるが,その有限温度磁気特性を理論的に記述することは困難であった.今回,実際にバンド理論によってこれを記述し,数値計算による実行可能性を示したことは,今後の物質設計における理論的基盤を築くために重要な成果であると考える.
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