研究課題/領域番号 |
21K04633
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
津田 俊輔 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (80422442)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光電子分光 / 準結晶・近似結晶 / 擬ギャップ / 電子状態 / ハイパーマテリアル |
研究開始時の研究の概要 |
規則性はあるが周期性を持たないという特殊な結晶構造を持つ準結晶は、近年様々な物性を示す物質が合成できるようになってきた。この特殊な結晶相が安定化する仕組みとして、フェルミ準位近傍に擬ギャップを開くことで相を安定させていると考えられてきているが、それを系統的・定量的に評価した例はこれまで少なかった。そこで本研究では準結晶・近似結晶の擬ギャップを、分光的手法を用いて準結晶・近似結晶の擬ギャップを系統的かつ定量的に評価し、材料設計の指針を得る。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度に行った高分解能光電子分光測定の結果を整理し解釈の検討を行った。詳細な解析により、Al-Pd-Mn系準結晶・近似結晶のギャップは2つのエネルギースケールを持ち、低エネルギー側はほぼ組成・構造によらないこと、高エネルギー側はわずかに組成・構造依存性を持つことが分かった。また、マクロ測定から予測される擬ギャップの大きさとフェルミ準位上の強度の変化がゆるやかに相関を持つことを見出した。一方で積分強度の減少と擬ギャップの間にはほとんど相関がみられなかった。
また並行して、近年発見された半導体準結晶の電子状態解析にも取り組んだ。Al-Ru-Si系準結晶はバルクとして初めて半導体であることが報告された準結晶である。AlやRuといった金属元素が中心となった合金系化合物であり、酸素を伴わないため一見すると金属的になりそうな系である。しかしながらマクロ物性測定からは半導体的な振る舞いが報告されている。元素同士の共有結合により、各サイトが疑似的に閉殻になったようにみえることで、ギャップが開くとする説がある。このような機構による半導体化のモデルケースとしてAl-Fe-Si系の多結晶に対して光電子分光測定を行った。内殻のスペクトルから各構成元素の価数が0価的であることから共有結合的であること、価電子帯のスペクトルから半導体であることを確認した。この成果はMaterials Research Express誌に掲載が決定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
擬ギャップの定量評価については一定の到達点に達したと考えている。今年度中に論文化して社会に広く還元する予定である。この点で本研究はこれまでのところおおむね順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで擬ギャップの定量的な議論は、ギャップの開き始めるエネルギー位置に限られてきた。本研究により、定量的な議論が他の部分にも拡張できることが実証できた。対象物質としてこれまではAl-Pd-Mn系を用いてきたが、今後は他の系にも同様の解析を適用してその有用性を検証する。また擬ギャップの起源について考察するために異なる光源を用いた測定も行う予定である。
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