研究課題/領域番号 |
21K04652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
斎藤 全 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (80431328)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 酸化物ガラス / 光学特性 / 光弾性 / 構造 / 汎用元素 / 無色透明酸化物ガラス / 屈折率 / 光弾性定数 |
研究開始時の研究の概要 |
液晶プロジェクター用のレンズ,フィルターのように,厳密な偏光制御をともなう光学ガラス素子では,極めて小さな応力誘起複屈折性(ゼロ光弾性)が必須な機能である。光学ガラスの製造,使用,廃棄を環境に配慮して実施するためには,現行ガラスに含まれる高分極性Pb2+イオンを排除した新規ガラスが必要である。本研究では,汎用元素を用いた無色透明な酸化物ガラスの提案,複雑な組成によらない低光弾性・高屈折率性の発現と検証,ガラスの微細構造に立ちかえった機能性の解明を行う。元素選択と構造特異性に関する科学的根拠を提示し,ゼロ光弾性,無色透明,有害元素フリーで持続可能な光学素子の開発につなげる。
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研究成果の概要 |
ユビキタス元素を用いた酸化物ガラスで、光学レンズならびにプリズムへの応用に資する組成を開発するに至った。いわゆる環境破壊につながる毒性元素を用いずに、SnOを含有する多様な組成系で得られ、光弾性定数が|0.05 x 10-12 Pa-1|より小さい、いわゆるゼロ光 弾性を示す酸化物ガラスを創製している。付随する光学特性として、屈折率が1.7以上で、可視光域で無色透明な点があげられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化物ガラスの光弾性定数と屈折率は、高電子分極イオンが高濃度に含まれる点で、密接な相関性を有している。屈折率は、電子分極率に比例相関し,高分極性の金属酸化物を多量に含むことで屈折率を増加させるという従来から提唱されている考え方を,ユビキタス元素から成る酸化物ガラスに対して、構造情報に基づいた定量的データによって裏付けている。ガラスの光弾性定数に関する本年度の成果として,酸化物ガラス,特にリン酸塩ガラスの電子分極率を考えることによって,未知のガラス組成に対する光弾性定数を予測できることにある。偏光光学素子として,鉛のような毒性元素を全く用いずに,あらかじめ光学特性を予想 できる点が成果である。
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