研究課題/領域番号 |
21K04659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岡 研吾 近畿大学, 理工学部, 講師 (80602044)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | フッ化物イオン伝導体 / 複合アニオン化合物 / 酸フッ化物 / ビスマス / 鉛 / フッ化物イオン伝導 / 層状構造 / フッ化物イオン / イオン伝導 / 層状化合物 / アパタイト / 構造相転移 / 負熱膨張 / 複合アニオン / トポタクティックな反応 / リートベルト解析 |
研究開始時の研究の概要 |
酸フッ化物におけるフッ化物イオン伝導特性について研究を行う。特にPbやBiの有する6s2孤立電子対の存在がフッ化物イオン伝導性に大きな影響を与えている可能性に着目し、Pb/Bi含有酸フッ化物の合成とイオン伝導性の評価を行う。結晶構造を精密に構造解析することにより、酸フッ化物におけるフッ化物イオン伝導性およびそれに寄与するPbやBiの持つ6s2孤立電子対の効果を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
新しいリジッドな結晶構造を持つイオン伝導体について研究を行った。主にPbやBiを含む化合物に着目した。酸フッ化物Bi2VO5Fは、フッ化物イオン伝導体として報告のある材料である。従来固相反応で合成されていたこの材料に対して、我々は酸化物Bi4V2O11をベースとしたトポタクティックなフッ化反応により、低温かつ非常院短時間で合成可能なことを発見した。この特性は、高いフッ化物イオン伝導性に由来するものであることも実験的に確認できた。また、アパタイト型化合物Pb5(VO4)3Fについても、フッ化物イオンの不定比性が存在しており、それに由来するフッ化物イオン伝導特性が期待できることを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、安定かつ強固な酸化物骨格を持った化合物におけるフッ化物イオン伝導特性に着目して研究を行った。フッ化物イオン伝導体は、新しいフッ化物イオン二次電池に必要な材料として注目を集めている。従来は、フッ化物イオンのみをもつ化合物が正極材料として着目されていたが、フッ化物イオンの脱離吸収過程における化学的安定に問題がった。本研究で見いだしたBi2VO5FおよびPb5(VO4)3Fは、安定な酸素骨格を持ち、フッ素の脱離吸収の繰り返しに関して安定である。PbやBiは6s孤立電子対を安定的に有する元素であり、その特性が安定的なフッ化物イオンの保持に寄与している可能性が期待される。
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