研究課題/領域番号 |
21K04671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
中山 博行 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (00510075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マルテンサイト / 超硬合金 / サーメット / 応力誘起マルテンサイト変態 / FeNi合金 / 応力誘起相変態 / 応力誘起マルテンサイト |
研究開始時の研究の概要 |
硬質材料は主としてセラミックス粒子を金属で結合した複合材料である。これらは、その曲げ強度が数GPaを有する一方、延性を示すことはない。しかし、結合金属を変形時に優先的かつ大きく変形させることができれば硬質材料の延性改善につながる。 そこで、発生時の変形量が大きく、その発生応力が数100MPaと小さい応力誘起マルテンサイト(SIM)を生じる合金に着目した。このような合金を硬質材料の結合相に用いることでSIMを優先的に発生させ、硬質材料の強度を維持しつつ、塑性変形能を付与することを目的とする。
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研究成果の概要 |
結合相に応力誘起相変態を生じる(Fe-Ni)合金を用いた超硬合金(WC-20 mass% (Fe-Ni))およびサーメット(TiC-25 mass% (Fe-Ni))を作製した。いずれの合金の結合相もNi量が多くなるにつれてfcc構造の割合が多くなった。これら合金の強度および変形挙動を評価したところ、Ni量を最適化することで延性および強度がともに向上することがわかった。その合金の破面のXRD回折結果より、結合相のfcc構造が応力誘起変態によりbcc構造へ変化していた。このような応力誘起変態とそれに伴う変形エネルギーの吸収により高い強度と延性を両立できることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
硬質材料は切削工具や金型などに用いられている。これらの材料は高速切削やプレス成型のような過酷な使用環境下で用いられることが多い。そのため、強度や硬度といった特性に加えて、相反する延性や靭性も必要となる。 本研究成果は、硬質材料の強度や硬度を低下させることなく延性や靭性を向上させることが可能となり、より過酷な使用条件下での利用が可能となる。
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