研究課題/領域番号 |
21K04695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中川 鉄水 琉球大学, 理学部, 助教 (50647261)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イオン液体 / アンモニアボラン / NMR / 共晶融解 / イオン交換反応 / 水素貯蔵 / 合成 / 構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、イオン液体アミドボラン(例:[Bmim+][NH2BH3-])を合成・単離し、その水素貯蔵特性を含めた基礎物性を解明することを目的とする。モデルケースとしてイミダゾリウムイオンを有するイオン液体アミドボランについて研究し、その存在を証明した上で単相・合成法を確立する。単離した物質を用いて、水素放出特性、構造および融点等を明らかにする。
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研究実績の概要 |
アンモニアボラン(AB:NH3BH3)は高水素密度だが、水素放出速度が遅く、アンモニアなどの不純物を放出する。われわれはこの解決策として、ABにイオン液体(IL、例:[Bmim+][Cl-])と金属水素化物(MH)を混合し、高速で水素を放出することに成功した。この反応過程では、LiH + NH3BH3 → [Li+][NH2BH3-] + H2 の反応の後、[Li+][NH2BH3-] + [Bmim+][Cl-] → [Bmim+][NH2BH3-] + [LiCl]のような反応によりイオン液体アミドボラン(ILAB)を生成することが示唆された。本研究では、このILABの存在を証明した上で、単離を試みその基礎物性を明らかにすることを目的とする。 初年度はILABの存在を証明するべくLiAB(LiNH2BH3)を原料として [Bmim+ ][NH2BH3-]の合成を試み、ILABの合成に成功した可能性を示したが、LiABとILの共晶である可能性が残った。そのため今年度は合成後にILABと副生成物である塩を溶媒により分離することを試みた。しかし合成時に溶媒を用いると共晶反応が進行しない場合や、共晶融解物(液体)が溶媒と分離する現象がみられ、分離には至らなかった。これはILAB自体の溶媒に対する溶解度が低いためと考えられることから、反応過程で塩を生成しない合成ルート([Bmim+][NH2-] + BH3-THF → [Bmim+ ][NH2BH3-])にトライした。結果、[Bmim+][NH2-]合成には通常の有機溶媒では合成できなかったが、液体アンモニアを用いると合成できる可能性が示唆された。ただしこれも副生成物である塩との分離工程の検討が不十分であるため、単離には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ILABおよびILNH2またはこれらと塩の共晶融解物が溶媒に溶けず分離できないことが大きな課題となっている。更にLiABを都度合成するために1つの実験にかける時間が想定の倍以上を要することから、実験スケジュールを後ろ倒さざるを得ない状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで試していなかったベンゼンなどの溶媒を用いることや、他のカチオンを有するイオン液体を用いて有機溶媒に溶解しやすいILABの合成を試みる。同時進行で引き続きLINH2からのILAB合成ルートも検討する。いずれの場合も成功しない場合は共晶融解物込みの物性を調べることとする。
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