研究課題/領域番号 |
21K04699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
石田 良仁 帝京科学大学, 総合教育センター, 講師 (90635137)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ゴム / 光分解 / 架橋 / マイクロプラスチック / 高分子化学 |
研究開始時の研究の概要 |
ゴムは強靭さと伸縮性を併せ持つ材料であり、タイヤや機械部品など身の回りのさまざまものに利用されている。その独特な性質は、ひも状の柔軟な高分子鎖を互いに共有結合で橋掛け(架橋)することで得られるものである。一方、橋掛け構造によりゴムは分解・再成形によるリサイクルができず、これはマイクロプラスチック問題の一因にもなっている。 そこで本研究では、ゴムの性質を発現する根源である架橋点に注目し、光刺激により分解する架橋点を導入したゴムの合成を目的とする。従来のゴムから、架橋剤のみを光分解性の架橋剤に変更することで、ゴムの優れた性質を保持しつつ、使用後に分解・リサイクルが可能なゴムの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、キノンメチド骨格を有する光分解性架橋剤を導入したウレタンゴムとアクリルゴムを合成することに成功し、その光分解性を明らかにした。得られたゴムは従来のゴムと架橋剤以外に構造の違いがないため、架橋剤の導入による機械的性質に大きな違いは見られなかった。ポリウレタンゴムは高分子主鎖自体に光分解性があるため、架橋点と主鎖の光分解反応との競争反応となるが、光分解性のないアクリレート主鎖を用いることで、光分解性架橋点の分解のみにもとづくゴムの分解が進行することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で合成したキノンメチド骨格を有する架橋剤やその誘導体を用いることで、身の回りのさまざまなゴムに対して機械的性質を維持しつつ分解性を付与することができると考えられる。また、本研究で合成した架橋剤は、光分解性保護基を有するもののみであった。しかし、酸や塩基、酸化還元反応などさまざまな刺激により脱保護される保護基を導入することによって、任意の刺激により分解するゴム材料を合成することが可能であると考えられる。本研究で得られた知見は、現在身の回りで利用されているさまざまなゴムへと適用できるものであり、実際に適用されることで現在問題となっているマイクロプラスチック問題の解決に貢献できると考えられる。
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