研究課題/領域番号 |
21K04805
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石田 洋平 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00726713)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | ナノ粒子 / クラスター / 超分子化学 / 静電相互作用 / 配位結合 / 光反応 / 金属クラスター / 光化学 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者独自の金属クラスター合成・金属クラスター表面での有機化学反応手法を基に、分子性金属クラスター表面を原子精度で精密な3次元化学反応場として利用した3次元分子集合構造制御と光化学反応・人工光合成系への応用、さらに金属コアと表面分子の電子状態のカップリングにより新たに発現する「分子-金属クラスター」構造の光触媒機能などを超分子化学的な手法により探索する。
|
研究実績の概要 |
本年度は、金属クラスター表面で有機化学反応により表面特性を制御する手法を開発し、特にほぼ完全にカチオン化された金クラスター化合物の合成に成功した。まず、4-ピリジンエタンチオール(4-PyET)を用い金原子25個で構成される安定組成のクラスター化合物[Au25(4-PyET)18]-を合成し、クラスター表面のメンシュトキン反応(ピリジル基のメチル化)によりAu25クラスターが有する18分子の表面配位子のカチオン電荷数を段階的に制御した。メチル化試薬や反応時間の最適化により、異なる平均表面配位子組成のクラスターを自在に合成することが可能となった。 金クラスターのコア部位は分子的な特性を有するため様々な光反応への応用が可能だと期待されているが、チオラート(SR)保護クラスターの場合はその厚く密な表面配位子層により反応基質と有効に近接できないため一般に光反応活性が高くない。合成した塩基性クラスター表面に対して金属イオンの配位を行うことで(Co2+, Fe2+, Cu2+, Ni2+)、表面に光触媒反応活性を与えることに成功した。光吸収により電子励起状態に至った金属クラスターコアから表面金属カチオンへの電子移動反応を定常・時間分解蛍光測定により解析し、その配位状態を吸収スペクトル、XPS等により明らかとした。一方で、カチオン化したクラスター表面に対しアニオン性分子を配列した構造の作成にも同時に成功し、エレクトロスプレーイオン化質量分析でその存在を確認することができ、光反応活性を検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では本年度に光触媒反応を完了する予定だったが、材料合成に時間を要したため。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、分子性金属クラスターの網羅的合成を行い、その表面への色素配置と光化学的特性の制御を行う。
|