研究課題/領域番号 |
21K04946
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
野上 雅伸 近畿大学, 理工学部, 教授 (50415866)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 海水ウラン / 回収 / 吸着 / トリホスフィントリオキシド / マイクロカプセル |
研究開始時の研究の概要 |
原子力発電の燃料であるウランの分離回収技術開発は、日本国内では実感できないほど活発に行われている。一方、「水の世紀」である今世紀において海水の淡水化は不可欠の技術であるが、海水淡水化プラントにおいて淡水を得た後に残った高塩分濃度の水溶液(濃縮海水)は現在利用価値が見出されていない。有機リン系化合物の一つであるPPTPTが、中性水溶液条件で6価のウランと特異的かつ非常に選択的に結合することを申請者らは見出しており、このPPTPTを含む新規吸着剤による濃縮海水からの選択的ウラン回収を本研究は目指している。併せて、吸着剤構造と金属イオンの吸着特性との関係を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
吸着法による海水、中でも海水淡水化プラントを想定した高塩分濃度海水からのウラン回収用として、有機リン系化合物の一つであり、6価のウラン(U(VI))と低濃度硝酸水溶液で特異的かつ選択的に結合する性質を有するPPTPTをポリマーに含浸担持させた各種吸着剤の開発を行っている。本研究では、硝酸酸性の高レベル放射性廃液からの核種分離に実績のあるアルギン酸を固定化担体として用い、PPTPTをゲルポリマー内に内包したマイクロカプセルを調製した。その結果、水に難溶の化合物をPPTPTと共内包することでPPTPTの担体からの溶出が抑制され、U(VI)の吸着性向上にもつながることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、非解離性の鎖状化合物であるPPTPTが中性領域でU(VI)と選択的かつ強力に結合する作用を利用するという、アクチノイドの溶液化学の知見を活用した非常に独創性の高い研究であると言える。また、金属イオン回収システムを海水の淡水化プラントに併設することで、高塩分濃度水溶液および吸着剤性能の有効活用を目指す点が従来の研究にない特色である。今回の結果から得られたマイクロカプセルのNaCl水溶液での安定性および金属イオン吸着特性は、海水ウラン回収という我が国にとり非常に重要な研究課題の今後の進展において、非常に大きな意義があるといえる。
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