研究課題/領域番号 |
21K04977
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
飯山 拓 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (30313828)
|
研究分担者 |
二村 竜祐 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (90647223)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 物理吸着 / X線回折 / 動径分布関数 / 高温・高圧 / in situ測定 / 水 / ナノ空間 / 二酸化炭素 / X線小角散乱 / ナノスペース / 極端条件 / 燃料電池 |
研究開始時の研究の概要 |
室温を超える温度での物理吸着現象は、燃料電池の水生成反応、多孔体を触媒担体とした化学反応における反応物の輸送など、多くの実用現象で重要であるが、実験的な困難のためにその機構解明は十分には進んでいない。本研究では、X線による微小空間中の分子のミクロ・メソスコピックな検討を高温領域に適用し、実用系を念頭に置いた高温領域における物理吸着現象の機構解明を行う。
|
研究実績の概要 |
物理吸着現象の機構解明は多孔体を用いた有害物質除去、エネルギー分子の貯蔵等の応用のために重要である。特に、室温を超える温度での物理吸着現象の機構解明は、吸着量が少なく、実験的に困難であることからほとんど進んでいない。本研究では、高温・高圧対応の in situ 測定セルを開発し、申請者らがこれまで行ってきたX線による微小空間中の分子のミクロ・メソスコピックな検討を高温領域に拡張する。室温から臨界温度に至る温度領域では、その吸着機構が変化することが予想される。申請者がこれまでに培った技術を組み合わせながら、高温における特異な物理吸着現象の探索および機構解明を行う。対象とする分子は多孔性物質の基礎的な解析に用いられる窒素、アルゴン分子、除去・濃縮が強く求められている二酸化炭素分子に加え、分子間力が強く、高温状態での吸着状態解明が必要な水分子、さらにはアルコール分子や炭化水素分子を含める。装置としては高温・高圧対応のin situ測定セルに加え、吸着状態の温度・圧力・吸着量を能動的に制御するためのシステム開発を行う。 令和4年度は、高圧高温対応セルの動作確認、改良を進めるとともに、対象のひとつである水分子について、室温~低温領域での細孔内構造解析を行った。また吸着状態の温度・圧力・吸着量を能動的に制御するためのシステム開発を進めた。前年度製作した高圧高温対応の試作セルは動作確認を進め、温度領域を高温側へと広げることができた。また、細孔内の水分子の構造の温度依存性について、定量的な解析を進めることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、高圧高温対応セルの動作確認、改良を進めるとともに、対象のひとつである水分子について、室温~低温領域での細孔内構造解析を行った。また吸着状態の温度・圧力・吸着量を能動的に制御するためのシステム開発を進めた。前年度製作した高圧高温対応の試作セルは動作確認を進め、温度領域を高温側へと広げることができた。また、細孔内の水分子の構造の温度依存性について、定量的な解析を進めることができた。水の構造解析については本研究目的の基礎となる成果であり、新規の知見も含んでいたことから、学術論文として取りまとめ、発表した。以上より、研究計画は順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
製作した試作セルの改良を進め、微小空間中のミクロ・メソスコピックな検討をより高温・高圧領域に広げる。さらに細孔形状の影響等の解析を進める。
|