研究課題/領域番号 |
21K05008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山中 淳平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80220424)
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研究分担者 |
奥薗 透 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (10314725)
豊玉 彰子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (50453072)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | コロイド粒子 / コロイド結晶 / 静電相互作用 / ダイヤモンド格子 / 静電吸着 / フォトニック結晶 / 光学材料 / 光学素子 / 静電吸着静電吸着 / コロイド / 交互積層 |
研究開始時の研究の概要 |
直径が100nmから1μm程度のコロイド粒子がダイヤモンド格子状に配列した構造は、可視から赤外光を閉じ込める「完全フォトニック結晶」として働く。本研究では、最近開発した「2次元の負荷電コロイド結晶」を基板とし、その上に正・負の荷電コロイド粒子を交互に積層することで、コロイド粒子のダイヤモンド格子を構築する。粒子間の相互作用と摩擦力を最適化し、光学特性評価が可能なmmサイズの結晶構造を作製する。
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研究実績の概要 |
直径が100nmから1μm程度のコロイド粒子がダイヤモンド格子状に配列した構造は、可視から赤外光を閉じ込める「完全フォトニック結晶」として働く。本研究では、「2次元の負荷電コロイド結晶」を基板とし、その上に(+)および(-)に荷電したコロイド粒子を交互に積層することで、コロイド粒子のダイヤモンド格子を構築する。 令和5年度は、昨年に引き続き、 (+)および(-)に荷電した直径1μmのシリカ粒子を用い、(i) 3D荷電結晶の正荷電基板への静電吸着による2Dコロイド結晶を作製した。また、(ii) (+)粒子の吸着による2層目の構築に成功した。さらに、 (iii)第2層に(-)粒子を吸着させて第3層を構築できた。相互作用ポテンシャルに基づく安定な立体配置を計算し、実験の指針とした。共焦点レーザースキャン顕微鏡を用いて行い、各層の動径分布関数 g(r)およびボンド配向秩序パラメーターΨ3を計算して、結晶性を評価した。 さらに、得られた構造がフォトニック結晶として機能するか、確認するために、時間領域有限差分法(FDTD法)を用いた計算機シミュレーションによる光学特性の評価を行った。2次元のコロイド粒子のダイヤモンド格子は、例えば200nmのチタニア粒子を用いた場合、層数が3層の場合でも、可視域に明確な吸収帯を持つことが明らかになった。以上の結果は、イギリス王立化学会のソフトマテリアルに関する専門誌である SoftMatter誌に投稿し、掲載された。また、大学広報よりプレスリリースされ、電子および紙媒体のいくつかのニュースに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究期間内に、 (1)粒子間静電相互作用と摩擦力の調節、(2)多層化、(3) 光学特性評価の3項目を順次検討することを目標としている。これらの目標は全て達成しており、また以上の結果をまとめて、論文が掲載された。 本課題は発展的に継続する予定で、本年度1年間の延長申請が認められた。すでに、結晶作製法の改善と、構造形成に関する計算機シミュレーション、光学特性に関する計算機シミュレーションを検討開始しており、残りの研究期間内で、スペックが一層向上するものと期待できる。このため、進捗状況として「当初の計画以上に進展している」ものと評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、(1)結晶作製法の改善と、(2)構造形成に関する計算機シミュレーション、(3)光学特性に関する計算機シミュレーションを実施する。(1)に関しては、塩基の拡散を利用した方法が有効であることが明らかになり、現在作製条件の詳細検討を行っている。また、(2)に関しては、モンテカルロシミュレーションにより、粒子サイズや塩濃度の最適値が明らかになっている。また、(3)として、積層構造に応じFDTD法により反射および透過スペクトルの計算を併せて実施する。
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