研究課題/領域番号 |
21K05026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
河内 敦 法政大学, 生命科学部, 教授 (70260619)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ケイ素 / オリゴシラン / シグマ共役 / パイ共役 / シリルアニオン / オリゴシラニルアニオン / 紫外吸収スペクトル / ポリシラン / オリゴシラニルリチウム / スズーリチウム交換反応 / 紫外可視吸収スペクトル / 蛍光スペクトル / 紫外-可視吸収スペクトル / DFT計算 / TD-DFT計算 / シラン / ジシラニルアニオン / 構造修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代の機能性材料として注目されているオリゴシラン・ポリシランの化学を大きく進展させるために,構造が明確なオリゴシランを効率的・選択的に合成する手法を開発し,得られたオリゴシランの物性・反応性を精密に評価する。具体的には,①官能性ジシラニルリチウムをビルディングブロックとして,末端ケイ素原子に官能基を有するフェニル置換オリゴシランを選択的に合成・変換する手法を確立すること,②合成したオリゴシランの表面(=芳香環)を化学修飾する方法を探り,オリゴシランへさらなる機能を付与すること,③合成したオリゴシランの構造と物性を精密に評価し,構造―物性相関を明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度は,これまでに報告した[2-(アルコキシ)ジシラニル]リチウムと同様の手法で生成させた[3-(アルコキシ)トリシラニル]リチウムを用いて,両末端にアルコキシ基を有するオリゴシランの合成をおこない,さらに種々の誘導体合成をおこなった。 スタンニルトリシランとブチルリチウムとのスズーリチウム交換反応により調製した[3-(アルコキシ)トリシラニル]リチウムのテトラヒドロフラン溶液に,ジクロロシランまたはジクロロジシランを加えることで,両末端にアルコキシ基を有するヘプタシランおよびオクタシランをそれぞれ合成することができた。水素化ジイソブチルアルミニウムを用いてこれらオリゴシランを還元することで,ジヒドロヘプタシランおよびジヒドロオクタシランを得ることができた。また,オリゴシラン末端の官能基変換をおこなった。パラジウム触媒存在下,ジヒドロペンタシランを四塩化炭素と加熱還流することで,ジクロロペンタシランを得た。合成したオリゴシランの構造は各種NMRスペクトルにより決定した。また,紫外ー可視スペクトルでは,ケイ素鎖の伸長,すなわちケイ素ーケイ素結合間のシグマ共役の拡張に伴う吸収波長のレッドシフトが確認された。 また,ジクロロシランとリチウムアリールアセチリドとの反応により,ジ(アリールエチニル)ペンタシランを合成した。アリール部分としてはフェニル基およびチオフェンを用いた。紫外ー可視吸収スペクトルの結果から,オリゴシラン部分のシグマ共役とアリールエチニル部位のパイ共役との間に新たな共役が発現していることがわかった。オリゴシランのDFTおよびTD-DFT計算の結果はこれを支持した。
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