研究課題/領域番号 |
21K05076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
遠藤 恆平 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 准教授 (70454064)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 超分子 / カプセル分子 / 分子間相互作用 / 光学特性 / ホスト分子 / ゲスト分子 / 反応制御 / 化学選択性 / 分子触媒 / 有機合成化学 / 有機金属化学 / 超分子化学 / 分子触媒化学 / 有機合成 / 孤立反応場 / 金属触媒 / 無機物 |
研究開始時の研究の概要 |
化合物の反応などは大半が「平均化」で取り扱われている。たとえば、化合物に試薬を加えて反応させようというとき、その化合物と試薬が衝突しない限り反応しない。その衝突は確率論で平均化されているだけで実際はランダムということになる。原子や分子レベルになると、プラモデルのように人間が1つずつ手に持ち接着させることができない。精密に原子や分子を扱うには、この平均化が問題になりやすい。本研究は原子や分子を1つずつ精密に取り扱う方法論の確立を目指し、有機化合物・無機物の特徴を活用した孤立反応場の構築に取り組む。
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研究実績の概要 |
(A)ボウル型分子の無機物表面への結合:2023年度に成功した。実際にボウル型の分子を設計し今回は金クラスターへの配位を実施したところ、水溶液中の1 nm程度の金クラスターが有機溶媒中に抽出され、マイクロメートル規模の金クラスターを動的光散乱法(DLS)により確認した。この手法の確立により、さらに空孔の大きなボウル型分子の設計と合成を続ける。現状の課題としては、この空孔に対してゲストの無機塩などを取り込ませ、内部で水素ガスなどと反応させ還元させて金属表面と相互作用するアプローチの確立となる。原理的には特に障壁はないと考えているが、引き続きの検討課題となる。 (B)水中フラスコの簡便合成と応用:2023年度に成功し、新たな発見について引き続き研究を進めている。既存の手法の一環としては、大きな潮解性を示す分子を合成することができた。少量の水でも完全溶解し、標的とする医薬品の取り込みも進むことが明らかとなっている。現在は共同研究先と議論を進めながらin vivoでの評価試験に向かっている。この評価により方向性がより明らかになると考えている。その他の分子開発を含めて実用化に向けた取り組みを進める。基礎的な研究については共同研究先と論文投稿に向けたデータ収集に取り組んでいる。 (C)マクロサイクルの機械的挙動制御:2023年度に合成法自体は確立できた。内部へのゲスト分子の取り込みや、マクロサイクルとゲスト分子の挙動を調べる検討は今後となる。現在は、新規骨格の合成と基礎的物性についての論文投稿準備を進めている。この一環で見出した結果について、基礎的な合成法などについて論文投稿済みである。 (D)分子内活性化に向けた触媒設計:再現性に問題が見出されたため、その確認に時間がかかっている。その一部については現在、論文審査中である。引き続き再現性を確認できたものについては論文として投稿予定である。
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