研究課題/領域番号 |
21K05103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中井 英隆 近畿大学, 理工学部, 准教授 (70377399)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 合成化学 / 光物性 / メカニカル結晶 / 有機金属錯体 / ジチオナイト錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
メカニカル結晶は、光・熱などのエネルギーを直接材料の動きに変換できる「エネルギー変換素子や人工生体材料」等への応用が期待されている新しい材料である。本研究は、構造および機能の多様性に富んだ有機金属錯体の新規合成を基盤として、偶然の発見に支えられているメカニカル結晶を合目的的に開発するものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、独自に開発したジチオナイト錯体の結晶が示す「2つのメカニカル機能(光照射によって、結晶が屈曲する機能と弾ける機能)」を起点に、合目的的にメカニカル結晶を開発することである。研究期間内(3年間)に、新規なジチオナイト錯体の設計・合成を通して、上記2つのメカニカル機能の諸特性と分子・結晶構造との相関を明らかにし、ジチオナイト錯体によるメカニカル材料創製の基礎(分子設計指針)を確立する。 2年目となる令和4年度は、「屈曲する機能の理解(重点項目1)」に加えて「弾ける機能の理解(重点項目2)」を中心に研究を進めた。屈曲する機能の理解に関しては、「炭素数が10のn-デシル基を導入したロジウムジチオナイト錯体」の合成に成功し、i)この錯体が、ミリメートルサイズの棒状結晶を与えること、ii)その棒状結晶が、光照射によって屈曲することを明らかにした。すなわち、ロジウムジチオナイト錯体への長鎖アルキル基の導入が、屈曲する結晶を得るための有用な指針であるという知見を得ることができた。一方、弾ける機能の理解に関しては、プロトタイプの錯体の炭素鎖をひとつ伸長した「エチル基を有するイリジウムジチオナイト錯体」の合成に成功し、i)この錯体が、プロトタイプの錯体と同様にブロック状結晶を与えること、ii)そのブロック状結晶は、光照射によって崩壊するが、弾け飛ぶような挙動は示さないことを明らかにした。すなわち、弾ける機能の発現には分子構造の精密な制御が必要であるという知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って研究を進め、重点項目である「屈曲する機能の理解」および「弾ける機能の理解」に繋がる貴重な知見を得ることができている。具体的には、「光照射によって屈曲する機能を示す棒状結晶」を与える新規なロジウムジチオナイト錯体および「崩壊するブロック状結晶」を与える新規なイリジウムジチオナイト錯体の合成に成功しており、メカニカル機能の諸特性と分子・結晶構造との相関を理解しようとする本研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる令和5年度は、重点項目1および2をさらに進展させることに加えて、下記に示す重点項目3に力を入れて研究を進める。 (重点項目3)メカニカル機能の制御と特異な機能の開発:ジチオナイト錯体の結晶が示すメカニカル機能が「制御可能」であるかを明らかにする。さらに、屈曲する機能と弾ける機能の融合によって、「特異なメカニカル機能の開発が可能」であるかを明らかにする。得られる知見を重点項目1および2の錯体の設計へとフィードバックし、課題のさらなる進展へと繋げる。
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