研究課題/領域番号 |
21K05155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
保倉 明子 東京電機大学, 工学部, 教授 (20343569)
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研究分担者 |
宮崎 淳 東京電機大学, 工学部, 教授 (50408697)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 液体電極プラズマ / 発光分光分析 / マトリックス効果 / アルカリ金属イオン / ハロゲン / ガリウム / インジウム / 分子発光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で対象とする液体電極プラズマ(LEP)の発光分析法は,高周波誘導結合プラズマ(ICP)と同様に多元素の原子発光分析法として開発された手法であるが,プラズマの温度は6200 K程度である。原子吸光法のフレーム炎よりは高温であるがICPよりも低温なので,試料から得られる発光スペクトルには,分子発光に起因するピークも共存している。そこで申請者はLEPにおける分子発光を積極的に利用して,元素の定量分析をするという着想に至った。本研究では,LEPによるハロゲンの分子発光分析法を確立し,実用的なオンサイト分析法を提唱する。
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研究実績の概要 |
環境中の水や土壌、微生物や植物の細胞などに含まれる微量金属の分析は、人間の社会活動が環境に与える影響を明らかにする際の指標の一つである。微量金属の濃度は、通常、原子吸光分析法、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)、質量分析法(ICP-MS)などで測定されている。しかし、これらの装置はかさばるため、現場での測定には適していない。ここ数十年、元素分析のための液体放電プラズマが注目され、いくつかの放電方式が提案されている。溶液の放電法の一つである液体電極プラズマ(LEP)は、水溶液中で2つの電極間に電圧を印加することで発生させることができる。LEPによって溶液中の元素が励起されるため、試料溶液中の元素に由来する原子発光スペクトル(AES)が観測される。LEP-AESの原理を応用した元素分析装置が市販されており、小型で携帯性に優れているため、現場での測定に適している。しかし、LEP-AESは、発光強度が試料溶液中のマトリックスの影響を受けることが知られており、その挙動が定量精度に影響することが多い。 そこでLEP-AESの装置を改良し,2種類の分光器を搭載した。これにより,広い波長領域における発光線の観察と,特定の波長領域における波長分解能の向上が実現した。今年度は改造したLEP-AES装置を用いて,ハロゲン化物イオンを含む標準溶液の分子発光スペクトル測定を行った。試料として,ハロゲン化物イオン(F-, Cl-)含有溶液と,金属イオン(Ga3+, In3+など)含有溶液を適宜混合して,測定溶液を調製した。試料溶液を入れるセルには,石英やサファイヤの小型専用セルを用いた。ここに白金電極を挿し,500~1500 Vの高電圧をパルス印加し,発光スペクトルを計測した。その結果,GaやInの発光スペクトルは,共存させたフッ化物イオンや塩化物イオンの影響を受けることが示された。
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