研究課題/領域番号 |
21K05277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
渡邉 和則 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 助教 (70602027)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | pre-miR-664a / 光制御 / アポトーシス誘導 / アポトーシス / pre-miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
生物はがん細胞などの異常な細胞をアポトーシスさせることで、個体としての恒常性を維持している。そのため、アポトーシス誘導法はがん治療法開発において重要視されている。 マイクロRNA(miRNA)はアポトーシスを制御している。我々もmiRNAの前駆体であるpre-miR-664aがアポトーシスを誘導することを明らかにしつつある。そこで本研究では、申請者らが開発した光依存的にRNAを輸送することができるナノキャリアに、pre-miR-664aを搭載することで光依存的なアポトーシス誘導法の開発を試みる。また、pre-miR-664aによるアポトーシス誘導機構を明らかにすることも試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、【アポトーシスを誘導するpre-miR-664aの標的mRNAの解明】、【pre-miR-664aとラクトソームを組み合わせた光依存的なアポトーシスの誘導法の開発】を目的に研究を進めている。2022年度は下記の課題を実施しました。 (1) pre-miR-664aにより発現変動するmRNAの同定の試み マイクロアレイによりpre-miR-664a導入により発現減少するmRNAを同定することができたが、アポトーシスに関与している候補mRNAを同定することができていない。このことから、pre-miR-664aによるアポトーシス誘導は単純な機構ではなないと考えられる。そのため、さらなる解析を進めている。 (2) 光依存的なアポトーシス誘導 青色光で励起できる光増感剤と細胞膜透過性ペプチド (CPP) を介してpre-miR-664aを担持したラクトソームは光エネルギー依存的にアポトーシス誘導ができることが明らかになった。また、pre-miR-664aの代わりにスクランブルmiRNAであるpre-miR-controlでは、光エネルギーが低い時にはアポトーシスが誘導されないことが明らかになった。青色光は生体組織透過性が低いため、臓器などの生体内に応用することは困難である。そこで、生体の窓と呼ばれる近赤外光で励起できる光増感剤を担持しようとしたが、担持効率が低く、アポトーシスも誘導されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度内にアポトーシス誘導に関与するpre-miR-664aの標的遺伝子を同定を完了する予定であったが、単純なアポトーシス誘導機構ではないため、いまだ同定途中である。この点がやや遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は遅れているアポトーシス誘導に関与するpre-miR-664aの標的mRNAの同定を試みる。 青色光で励起できる光増感剤およびpre-miR-664aを搭載したラクトソームの粒径や表面電荷など粒子の物性を明らかにする。また、ラクトソームに担持したpre-miR-664aの血清中での安定性を検証する。さらに、青色光で励起できる光増感剤およびpre-miR-664aを搭載したラクトソームを用いることで、光照射部位特異的にアポトーシスが誘導されるのか検証する。 近赤外光で励起できる光増感剤を担持できるラクトソーム作成条件の検討を進めたのち、青色光で励起できる光増感剤およびpre-miR-664aを搭載したラクトソームと同様に光依存的にアポトーシスが誘導できるのか検証していく。
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