研究課題/領域番号 |
21K05303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村井 勇太 北海道大学, 先端生命科学研究院, 助教 (20707038)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | スフィンゴミエリン合成酵素2 / 光アフィニティーラベル / クリックケミストリー / スフィンゴ脂質 / 化学プローブ / スフィンゴミエリン合成酵素 / ノシル / ジアジリン / 光アフィニティーラベル法 / アルツハイマー病 / 白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜に存在するスフィンゴミエリン合成酵素2 (SMS2)はマイクロドメイン中のスフィンゴミエリン量を調節する役割を担うとされるが、より詳細な働きは未だ不明な点が多い。特にSMS2欠損マウスの表現系として『肥満抑制』や『悪性腫瘍に対する免疫の亢進』、『アミロイドβを神経細胞から除去する可能性が示唆されているエクソソームの増産』といったアンメットメディカルニーズ対象疾病への改善報告がなされている。本研究では独自のSMS2阻害剤を搭載したノシル型ジアジリン光アフィニティープローブを創成し、阻害剤-SMS2間の結合様式を解明することでSMS2リード開発へ貢献する。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度作成に成功したスフィンゴミエリン合成酵素2(SMS2)選択的な阻害剤を搭載したノシルジアジリン型光アフィニティーラベル (NsPAL)プローブを用いてSMS2釣り上げ実験を実施した。NsPALプローブならびに検出タグ、光ラベル架橋時間の条件検討を幾度と行ったが、残念ながら目的であるSMS2(分子量43kDa)のバンドを検出するに至らなかった。そこで、代替案として準備していたSMS2阻害剤に直接ジアジリン基およびアルキンタグを導入した第二のアルキン型PALプローブの作成を行なった。12ステップで目的のアルキン型PALプローブの作成に成功し、またSMS2阻害活性を評価したところSMS2選択性およびIC50値:40 nM(オリジナル20 nM)を維持していることを確認した。続いて、新たに作成したPALプローブを用いて、SMS2釣り上げ実験を実施した。今回、光ラベル後の検出基導入についてはPALプローブ中のアルキンを利用したクリックケミストリーによってビオチン導入を実施した。ビオチン導入後はアビジン精製、SDS-PAGEを行い、最後にSMS2に導入してあるFLAGタグの抗体検出によって釣り上げの評価を行なった。また比較実験として、1)PALプローブのみを用いたケース、2)PALプローブと競合剤を用いたケース、3)PALプローブを用いないケースをSMS2過剰発現させたHEK293ライセートと過剰発現させていないHEK293ライセート(ネガティブコントロール)で実施した。その結果、通常のHEK293ライセートでは43kDa付近のバンドは一切確認されなかった。いっぽう過剰発現細胞ではPALプローブの有無でバンドの濃さに大きな差があり、また競合剤をいれたものは若干バンドが薄いことも確認できた。現在は、このバンドをゲル内消化し、MS/MS測定に移行している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初に予定していたNsPALプローブでは、SMS2の釣り上げに至らなかったものの、代替のアルキン型PALプローブの合成およびPAL実験の移行まで進捗した。さらにSMS2釣り上げ実験では、ネガティブコントロールならびにPALプローブの有無によって目的のSMS2バンドの検出に明瞭な差がでており、SMS2の釣り上げ成功が期待できるレベルまで到達できた。現在、MS/MS解析まで移行しており、残りの一年で結合部位解明の期待がより一層高まったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、MS/MS解析による解析結果によって成功した場合は、現在共同研究を実施している理研の本間博士と計算科学を用いた阻害剤とタンパクのドッキングシュミレーションを予想する。さらに、よりSMS2の活性ポケットにフィットする低分子化合物の立案を行う。まだ釣り上げがうまくいっていない場合は、SMS2量をより多く確保し、再度釣り上げ実験に挑戦する予定である。
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