研究課題/領域番号 |
21K05321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
丹羽 一樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (30443211)
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研究分担者 |
山崎 太一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (00462838)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生物発光 / 量子収率 / qNMR / 分光放射計測 |
研究開始時の研究の概要 |
発光反応の「明るさ」を決める発光量子収率を測定するため、まず発光反応により放出される光量子数を、光放射国家計量標準にトレーサブルな測定技術により測定する。 もう一つの測定要素である発光基質の分子数については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびqNMR法など、国家計量標準の開発供給技術を活用した高精度定量を行う。 以上により、発光強度が弱く光量子数の定量が難しい発光反応系、あるいは基質分子が不安定であったため基質定量が難しい発光反応系など、これまでQYの測定が行われていなかった発光反応系でのQY測定データを取得する。
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研究実績の概要 |
ホタルなど生物発光反応の量子収率(Quantum Yield、QY)は、発光反応の光生成効率を示す指標であり、1分子の発光反応基質が光量子を1つ生成する確率と定義される。QYを実験的に測定するためには、発光光子数を定量する必要がある他、反応分子数を厳密に定量する必要がある。 従来の基質定量の方法では、基質分子数をナノモル程度まで少なくし、数分で基質が完全に消費されるように、反応条件を設定していた。この方法では反応分子数の定量操作はQY測定の前段階の試薬調製の段階で完了するため、比較的簡便に完了する。一方で基質調整段階での純度評価が厳密である必要があるが、これまでは吸光係数εの文献値を用いた吸光度法による定量しか行われてこなかった。また、QY測定時には基質分子数を少なくしているため生成光量子数が少なく、高感度の検出系が必要となる。このことは、発光量が少ない、暗い反応系では光測定が行うことができない、という側面にもつながっている。 発光光子数の定量についても、高感度な分光測定が必要であり、その正確性を厳密に精査する必要がある。 本研究では、基質分子数と光量子数の双方の定量精度を、産総研の計量標準研究部門の有する国家計量標準の開発・供給の知見で再検討した。特に、吸湿性の評価による影響、更には定量NMR法による純度評価を行い、基質溶液調整における分子数定量の不確かさ要因を精査した。 以上、基質分子数および生成光量子数定量技術を基盤に、ホタル発光反応などのQYの測定実験を行った。更に、基質濃度が比較的高く、反応が長時間継続するような条件で、基質残量をHPLCでモニタしながら生成光子数を定量するシステムを構築中である。今後、これまでQYの評価が困難であった暗い発光反応系の測定評価を行っていく予定である。
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