研究課題/領域番号 |
21K05327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
野村 美加 香川大学, 農学部, 教授 (50294749)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | SNARE / legume / LjSYP132 / スプライスバリアント / 根粒 / 花粉管伸長 / 共生 / マメ科植物 |
研究開始時の研究の概要 |
根粒菌がマメ科植物に感染すると根粒器官を形成し、共生窒素固定を行う。申請者は、根粒形成・窒素固定形成のための膜輸送に関与するLjSYP132sは、選択的スプライシングによりスプライスバリアントを生産し、LjSYP132aは感染糸からシンビオゾームへ到達する根粒形成メカニズムに、LjSYP132bは花粉管が伸長して受精の場へ到達する種子形成メカニズムに関与していることを見出した。本申請課題では、LjSYP132sのスプライスバリアントに着目し、未だその制御機構が不明な選択的スプライシングの実体についてその全容を解明することを目標としている。
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研究実績の概要 |
根粒菌がマメ科植物に感染すると根粒器官を形成し、共生窒素固定を行う。申請者は、根粒形成・窒素固定形成のための膜輸送に関与するLjSYP132sは、選択的スプライシングによりスプライスバリアント(LjSYP132aとLjSYP132bと名付けた)を生産し、LjSYP132aは感染糸からシンビオゾームへ到達する根粒形成メカニズムに、LjSYP132bは花粉管が伸長して受精の場へ到達する種子形成メカニズムに関与していることを見出した。 本申請課題では、LjSYP132sのスプライスバリアントに着目し、それぞれの細胞内局在性と機能相補性を調べ、選択的スプライシングに重要なシス領域を決定することで未だその制御機構が不明な選択的スプライシングの実体についてその全容を解明することを目標としている。根粒形成と花粉管伸長の共通性が明らかになれば、根粒形成メカニズムの進化のルーツを解き明かすことができると期待される。 本研究では、マメ科植物ミヤコグサのSNAREタンパク質であるLjSYP132sに着目し、1)スプライスバリアントの発現局在性、2)機能相補性、3)スプライシングに必要なシス領域、を明らかにすることを計画していた。本年度は、1)2)について計画通り行った。その結果LjSYP132bの発現抑制がLjSYP132aの発現を誘導することが明らかとなった。この制御機構は当初予測していた発現制御機構では無かったため次年度は3)について計画通り進行するのでは無く、今年度作成できたLjSYP132bLORE1変異体のホモ個体について解析を行い、最終年度はその制御機構について調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LjSYP132aとLjSYP132bの発現は独立していると予想していたが、本研究結果からLjSYP132bの発現抑制によってLjSYP132aが誘導することが明らかとなった。そのため局在性を調べるために作成したFLAG-タグを付加したLjSYP132aとLjSYP132bコンストラクトは、過剰発現体コンストラクトであったため2つの遺伝子の細胞内表現に変化は見られなかった。しかし過剰発現体は根粒形成が十分に発達しないことが明らかとなった。以上のように予想外の結果であったが、スプライスバリアントLjSYP132aとLjSYP132bの発現調整メカニズムが明確に証明できた。
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今後の研究の推進方策 |
LjSYP132bの発現を特異的に抑制させたLORE1変異体ホモ個体種子を得ることができたのでこの種子を利用して表現型解析、発現解析を行っていく予定である。
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