研究課題/領域番号 |
21K05329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
小八重 善裕 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (60456598)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 菌根共生 / ライフサイクル |
研究開始時の研究の概要 |
これまで菌根特異的に発現する遺伝子が同定されてきたが、それらの多くはどのようなメカニズムで「菌根の発達」に関わっているかという視点で研究がなされてきた。しかし菌根共生(細胞内共生)には短い寿命があることから、「発達する」だけではなく定期的に「崩壊する」ことも重要である可能性がある。発達ステージは菌根のライフサイクルの中では一部に過ぎず、崩壊の意義は不明のままである。現在、共生の崩壊ステージに関わる遺伝子や細胞動態についての理解がほとんど進んでいない。本研究は、菌根の崩壊ステージで特異的にはたらく分子細胞メカニズムの理論構築を行う。
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研究成果の概要 |
植物はアーバスキュラー菌根菌と根で共生し、土壌養分を効率よく吸収しているが、この共生は「発達」と「崩壊」を繰り返す。本研究は、数日の短い期間における「発達」と「崩壊」サイクルの分子メカニズムに着目してきたが、さらい長いタイムスパンの「発達」と「崩壊」についても考慮した。すなわち、若い栄養生長期の実生の生長ステージに加えて、開花期、子実の登熟期、作物以外の冬季の草(冬草:雑草)、枯死した根などまで解析の対象とした。その結果、驚いたことに、通常の菌根菌(アーバスキュラー菌根菌)とは逆の感染サイクルを持つ菌根菌を発見した
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの一般的な菌根菌がコインの表だとすれば、本研究で見出した菌根菌は裏面である。時間あるいは日単位で考えていた菌根の共生サイクルが、もっと長い時間軸で調べられなければ、実際の農業の生産現場には、実践的に応用できない可能性がある。とくに、化学肥料や農薬の使用を前提とする慣行的な農業を見直し、これからの持続的で低投入型の農業を実践するためには、本研究で明らかとなった、有機的で、低投入の圃場における生態システムの理解が今後一層必要になる。
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