研究課題/領域番号 |
21K05331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
齋藤 明広 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (50375614)
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研究分担者 |
道羅 英夫 静岡大学, 理学部, 教授 (10311705)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | キチン / Lysobacter / Streptomyces / ビタミンB12 / コバラミン / 栄養要求 / 土壌細菌 / 微量増殖因子 / メチオニン / 完全ゲノム配列 / 土壌 / 微生物 / 多糖分解 / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
キチン添加培養畑土壌における非栄養要求性(non-Auxotrophic: nAux)キチン分解細菌から栄養要求性(Auxotrophic: Aux)キチン分解細菌への遷移現象について,Auxキチン分解細菌が要する化合物の土壌での動態を解析するとともに,その化合物の合成と利用に関わる遺伝子転写産物を土壌で解析し,遷移現象におけるその化合物の関与と,産生と利用に関わる微生物群に関する情報を得る。一方,nAux‐Auxキチン分解微生物の共培養実験で,代謝物を介した相互作用の詳細を解明する。土壌での多糖分解微生物間ネットワークモデルを提唱するとともに,栄養要求性に基づく土壌微生物制御への利用を図る。
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研究実績の概要 |
畑土壌での生体高分子の分解過程において同一高分子種を分解する細菌間の相互作用の一端を土壌生態系から抜き出しその仕組みを解明することを目的として研究を行った。具体的には、昆虫やカニ・エビなどの節足動物の外骨格や、真菌の細胞壁の構成成分であるキチンを生体高分子のモデルとし、その分解の初期に増加するStreptomyces属放線菌とその後に増加するLysobacter属細菌に着目して研究を遂行した。その結果、以下のことを明らかにすることができた。 ①キチン添加培養畑土壌から分離されたメチオニン(Met)要求性を示すLysobacter属細菌株の生育は、Metの代わりにシアノコバラミンを培地に添加することで相補された。すなわち、これらのメチオニン要求性のLysobacter属細菌株はコバラミン(Cob)要求株であることが示唆された。 ②分離したMet/Cob要求性のLysobacter属細菌株のうち、5-21a株の全ゲノム塩基配列を決定した結果、5-21a株はCob非依存的なMet合成酵素の遺伝子(metE)は持っておらず、Cob要求性のMet合成酵素遺伝子(metH)しか持たないためにMet/Cob要求性を示すことが示唆された。 ③Lysobacter属細菌の多くはmetHしか持たないことから、それらもMet/Cob要求性を示すことが考えられた。 ④5-21a株を新種L. auxotrophicusとして提唱し認定された。 ⑤キチン添加培養畑土壌でのCob含量の変化とLysobacter属個体群の消長を調べ、土壌中のCob含量とLysobacter属の存在比の間に正の相関があることを見出した。
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