研究課題/領域番号 |
21K05345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
加藤 伸一郎 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 准教授 (60346707)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 硫黄代謝 / トレーサー |
研究開始時の研究の概要 |
チアミン、ビオチンなど構造中に含まれる硫黄原子は含硫アミノ酸であるL-システインに由来していることが知られており、PLP酵素「システインデスルフラーゼ」が含硫化合物生合成の初発段階を司っている。この酵素により生じるS-スルフヒドリル化を放射性同位元素標識化合物であるL-[35S]システインを用いたトレーサー実験により網羅的に検出する。そして、検出されたタンパク質の含硫化合物生合成系の関与を解析し、その分子特性を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
これまでに大腸菌MC4100株の無細胞抽出液にL-[35S]システインをトレーサーとして添加し、タンパク質合成の阻害条件下にて、37℃で1時間インキュベートした後に試料をSDS-PAGEにより解析したところ、S-スルフヒドリル化されることにより硫黄の転移反応に関与すると考えられるタンパク質バンドがオートラジオグラフィーにより複数検出されている。オートラジオグラフィーの結果は培養条件により影響を受けており、S-スルフヒドリル化タンパク質の標識量が変動していた。これは特異的に発現誘導された結果と考えられた。分子質量16kDaのバンドが検出されていたが、これはIscUタンパク質であることが判明したため、当該遺伝子をPCRにより調製し大量発現系を構築した。この発現系より得られた組換えIscUタンパク質について、L-[35S]システインと大腸菌システインデスルフラーゼIscSを用いた硫黄転移系を用いてin vitroで硫黄受容能を解析した結果、35S放射標識量が経時的に増大していることが明らかになった。この結果から、IscUタンパク質は本菌株が生成する含硫化合物の合成初期段階において硫黄を供給する役割を担っていることが示唆された。他にもS-スルフヒドリル化タンパク質が検出されているが極微量であったため、プロテインシークエンサーを用いたエドマン分解では同定することが困難であった。その他の原因として、タンパク質のN末端がアセチル化やホルミル化によって修飾されている可能性も考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の段階でS-スルフヒドリル化されるタンパク質の検出については、概ね予定通りに研究を進めることができた。発現量が微量で同定が困難であるため、実験をスケールアップするなどの対策により改善が見られつつある。なお今年度も、新型コロナウイルス感染症対策により研究活動に時間的な制限が生じたため、研究計画全般に若干の遅れが認められる。
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今後の研究の推進方策 |
検出されたS-スルフヒドリル化タンパク質は、プロテインシークエンサーおよび質量分析計を用いたペプチドマスフィンガープリンティングにより同定作業を進めていく。同定されたタンパク質はPCRにより遺伝子を調製して大腸菌を用いた発現系を構築していく。また、これらのタンパク質で検出されるS-スルフヒドリル化について、その機構の解明を目指し、L-[35S]システインおよびシステインデスルフラーゼを用いたin vitro解析系を利用し、反応条件の最適化および反応に必要な因子の探索・同定を行う。
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