研究課題/領域番号 |
21K05348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
宮本 哲也 北里大学, 薬学部, 助教 (10739238)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | D-アミノ酸 / アミノ酸ラセマーゼ / アミノ酸アミノトランスフェラーゼ / O-アセチルホモセリンスルフヒドラーゼ / 多機能型酵素 / 超好熱菌 / D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ / アセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
細菌においてD-アミノ酸は、細菌の環境適応において重要な生理的機能分子である。超好熱菌 Thermotoga maritima のペプチドグリカンは、3種類のD-アミノ酸を含み、ユニークな構造を有している。しかし、これらD-アミノ酸の代謝経路は明確になっていないため、その全容の解明を目指している。その過程で、2つの異なるD-アミノ酸代謝活性を有する新規の多機能型酵素を発見した。本研究では、この酵素を中心として、D-アミノ酸代謝に関連する酵素を同定し、その機能及び生理的役割を明らかにする。本研究は、各種生物におけるD-アミノ酸バイオシステムの理解にも繋がる重要な基盤研究である。
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研究実績の概要 |
本研究は、超好熱菌 Thermotoga maritima における新規のD-アミノ酸代謝経路を明らかとすることを目的として、推定アミノ酸代謝酵素の酵素学的機能解析により、D-アミノ酸代謝に関連する酵素を同定する。昨年度は、異なる3つの活性を有する、多機能型酵素アセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ及び新規のD-アミノ酸アミノトランスフェラーゼを同定した。本年度は、O-アセチルホモセリンスルフヒドラーゼと2種類の推定アミノ酸アミノトランスフェラーゼの機能解析を行なった。 O-アセチルホモセリンスルフヒドラーゼは、L-メチオニン生合成経路においてO-アセチルホモセリンと硫化水素からホモシステインと酢酸を合成する反応を触媒する酵素である。T. maritima由来の本酵素は2種類のアミノ酸に対して、微弱なラセマーゼ活性を有することが明らかとなった。また、本酵素はL-システインに対してリアーゼ活性を示した。さらに、アミノ基ドナーとアクセプターの組み合わせによっては、アミノトランスフェラーゼ活性を示すことが明らかとなった。以上より、T. maritimaのO-アセチルホモセリンスルフヒドラーゼは、アミノ酸ラセマーゼ活性、L-システインリアーゼ活性、アミノ酸アミノトランスフェラーゼ活性を有する、多機能型アミノ酸代謝酵素であることを明らかにした。 また、2種類の推定アミノ酸アミノトランスフェラーゼについては、アミノトランスフェラーゼ活性について、アミノ基ドナーおよびアミノ基アクセプターの特異性の解析、pH依存性、温度依存性の解析を行なった。現在、各酵素のラセマーゼ活性について検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度に引き続き、3種類のアミノ酸代謝酵素の酵素学的機能解析を行なった。昨年度と合わせると、5種類のアミノ酸代謝酵素を同定してきた。特に、本年度はO-アセチルホモセリンスルフヒドラーゼがD-アミノ酸代謝活性を有する多機能型酵素であることを明らかにした。これに加えて、2種類の推定アミノ酸アミノトランスフェラーゼの機能解析も進めている。さらに、その他数種類の推定アミノ酸代謝酵素についても、組み換え体酵素を得ることに成功している。従って、本年度の進捗は計画通りであり、本研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、来年度は今年度において組み換え体を取得した酵素の機能解析を継続して行う。各酵素が有するアミノ酸代謝活性を詳細に酵素学的に解析する。この解析を通じて、Thermotoga maritimaにおけるD-アミノ酸代謝酵素を網羅的に同定する。 また、Alaラセマーゼを欠損させた高度好熱菌 Thermus thermophilus を作製し、この欠損株にT. maritimaの該当遺伝子を導入することで、同定したT. maritima由来のアミノ酸代謝酵素がD-Ala合成に寄与するかどうかを検証する。
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