研究課題/領域番号 |
21K05351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
矢嶋 俊介 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (90301548)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 基質認識 / X線結晶構造解析 / 基質特異性 / 放線菌 / X線結晶構造解析 / 基質 / ABCトランスポーター / ヒドラジド / Actinobacteria門 |
研究開始時の研究の概要 |
非天然化合物であるhydrazide化合物を唯一の炭素源として資化できるMicrobacterium hydrocarbonoxydansから、その代謝を制御するオペロンを見出した。その特徴は、amidase superfamilyに属するhydrazidaseと、既知および新規構造の可能性をもつ2種のABCトランスポーターである。このオペロンは本菌のみならずActinobacteria門に見られること、細菌の生理機能に重要な役割を担っていると考えられる。そこで本申請では、2種のトランスポーターの立体構造、機能解析を中心に、このオペロン構造の生理機能上の重要性解明を目指す。
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研究成果の概要 |
Microbacterium hydrocarbonoxydansにおいて非天然のヒドラジド化合物代謝を担うオペロンは、トランスポーター、分解酵素を含む。当該菌の生育実験、オペロン遺伝子発現解析、酵素活性解析から、当該菌が天然基質としてパラベンを代謝できることを明らかにした。さらに、そのホモログ酵素を別の放線菌から単離、機能およびX線結晶構造解析を行った。ホモログもパラベンを基質としたものの、両者の活性に違いが見られ、その要因として活性部位の入り口の構造の違いが考えられた。一方で、パラベンを取り込むトランスポーターの構造解析については、組換蛋白質の取得にさらなる検討が必要となる結果であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化合物を資化する仕組みにおいてトランスポーターと分解酵素の役割は重要であるが、データベースの情報のみでは、本来の基質を正確に予測することは容易ではない。今回、立体構造解析等をもとにパラベンを代謝する最初の段階の仕組みを明らかにした。パラベンは化粧品や食品の保存料として使われている一方、内分泌系への懸念もいわれる。またパラベンが植物体の構成成分として存在するという報告もある。パラベンを触媒する蛋白質、また資化する菌は本研究が初めての報告であり、分子レベルでは蛋白質機能解析に新たな知見を加えた点、微生物としてはバイオレメディエーションへの応用などが考えられる研究成果である。
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