研究課題/領域番号 |
21K05360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小笠原 寛 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (30535232)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Escherichia coli / Biofilm formation / CsgD / Organic compounds / Biofilm / Transcription |
研究開始時の研究の概要 |
動植物と共生している細菌種は、宿主が産生するシグナルに応じてバイオフィルム形態を変化させる。バイオフィルムは細菌の環境ストレスに対する耐性化に重要な役割を果たしているが、バイオフィルムを形成する生育条件も細菌種によって大きく異なり、それら形成に影響を与える環境要因の多くが未解明のままである。本研究では動物体内や植物表面でも見つかる大腸菌のバイオフィルム形成に影響を与える植物由来の天然有機化合物の作用機序について明らかにし、環境シグナルの感知から、バイオフィルム形成に至る過程で関連する遺伝子発現制御の分子機構の解明を目的としている。
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研究成果の概要 |
動植物と共生している細菌種は、外部環境変化に応じて宿主表面への付着や細菌細胞の集落形成に必要なバイオフィルム(BF)を形成する。BF形成に影響を与える環境要因は、多くが未解明のままであり、特に実験室培養条件下においては、十分に機能を発揮しておらず、断片的な知識しかなかった。これまでに我々は、大腸菌のBF形成について調べ、その形成統括制御因子CsgDの発現制御に、多種類の転写因子が関与することを明らかにしてきた。本研究では、これまでにcsgDおよびcsgB発現抑制効果を示すことが報告されている植物由来天然有機化合物の作用機序の解明を目標に研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに多くの植物由来天然有機化合物が細菌のBF形成阻害剤として報告されているが、それら作用機序については多くが未解明のままである。これら薬剤は細菌のBF形成制御に関わる転写制御機構の何れかを阻害することが考えられたことから、本研究では、BF形成細菌に対するこれら植物由来天然有機化合物の作用機序の解明が主な目的である。これまでに利用されているBF阻害剤の多くは殺菌効果は高いが、人体安全性の低いものが多いのが現状である。多くの植物由来成分は生薬の有効成分として利用されており、安全性が高いものも多いため、その作用機序の解明はBFをターゲットとした薬剤開発の新たな指針を示す極めて重要な研究である。
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