研究課題/領域番号 |
21K05367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
伊藤 雅洋 北里大学, 薬学部, 助教 (90596727)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 腟常在乳酸桿菌 / Lactobacillus crispatus / 過酸化水素 / ラクトフェリン / inerolysin / 膜孔毒素 / Pore-forming toxin / 膣常在乳酸桿菌 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国において子宮頸がん、早産、細菌性膣症などの女性生殖器疾患は年々増加しているが未だ有効な打開策は確立されていない。近年、膣最優勢細菌が乳酸桿菌 Lactobacillus iners である女性 (日本人女性約34%) では、L. crispatus (同約42%) と比較し上記疾患の罹患率が有意に高いと報告された。本研究課題では未だ明らかにされていない膣乳酸桿菌の女性生殖器疾患の成因に及ぼす影響について、マウス生殖器感染モデル、3次元細胞培養モデルを用いて解析・同定し、粘膜バリア環境に着目した新たな女性生殖器疾患の予防・治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究により、L. iners は腟上皮細胞のバリア機能の破綻作用を、L. crispatus はバリア機能の亢進作用を有すると明らかになった。近年、日本人女性の約30%の方が腟最優勢菌として有する Lactobacillus iners は、約40%の方が有する L. crispatus と比較し、早産や子宮頸がん、不妊症、性感染症に罹患しやすいと相次いで報告されており、腟粘膜バリア機構に対する相反する作用の違いが女性生殖器疾患に罹患しやすい、あるいは罹患しにくい下地を形成していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国において子宮頸がん、早産、不妊症は年々増加している。これまで遺伝学的・細胞学的解析等ではその原因はわからなかったが、本研究成果によりその要因として腟常在細菌 L. iners による粘膜バリア機構への破綻作用が関与している可能性が考えられた。一方、腟常在細菌 L. crispatus は粘膜バリア機構を亢進させること、またその定着率を高める機構を明らかにできたことから、それらの機構を利用し、腟常在細菌を L. iners から L. crispatus に置き換えるなど、その臨床応用へとつなげることが期待される。
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