研究課題/領域番号 |
21K05440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
遠藤 弘史 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (30567912)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HSF1 / 癌幹細胞 / ストレスタンパク質 / ポリフェノール / がん幹細胞 / EMT / 食品成分 / 癌転移抑制 / 上皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
癌治療には,転移や再発等を完全に抑制できないことが大きな問題として残されている.近年,転移や再発に関わる癌細胞として,癌幹細胞と間葉型に転換した癌細胞の存在が注目されている.我々はこれまでに癌細胞抑制の新たなターゲットとして,ストレスタンパク質を標的として研究を行い,いくつかの食品成分がストレスタンパク質の発現を抑制することで,癌細胞の増殖を抑制することを報告している.一方,癌幹細胞の特性維持や間葉系への転換に関してもストレスタンパク質が重要な役割を果たしていることを見出している.本研究はこれらの事をより,食品成分を基とした癌の転移や再発抑制にも効果のある新規抗癌剤の開発の基礎研究を行う.
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研究成果の概要 |
クルクミンとヘスペレチンは,癌細胞に対して抑制効果を発揮することが知られている.我々はこれまでにこれらの効果は,転写因子であるHSF1の抑制効果に基づくものであることを明らかにしてきた.HSF1は正常な細胞では,ストレスが加わった際に活性化し,細胞を細胞死から守る役割を担っている.一方,癌細胞においてHSF1は,常に活性化することで細胞死誘導から回避していることが知られている.さらに近年,HSF1は癌の再発や転移の大きな要因である癌幹細胞の維持にもかかわっていることが明らかとなった.本研究は,クルクミンとヘスペレチンがHSF1を抑制効果することで,癌幹細胞に対して抑制的に働くことを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,日本人の死因第一位はがんであり,日本人の二人に一人はがんに罹患すると言われている.医療技術が発達してもがんによる死亡率が下がらない大きな要因として,がんは転移や再発が防げないことがある.この転移・再発の原因として癌幹細胞の存在が注目されている.癌幹細胞は化学療法や放射線治療に対しても耐性を有していることも知られている.本研究では,この癌幹細胞に対して抑制効果を発揮する成分を食品中から見出し,新たな抗癌剤の候補として,その効果や作用機序を明らかとしており,次世代のがん治療の一つの候補となることが考えられる.
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