研究課題/領域番号 |
21K05450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 徳島県立農林水産総合技術支援センター(試験研究部) |
研究代表者 |
新居 美香 徳島県立農林水産総合技術支援センター(試験研究部), 徳島県立農林水産総合技術支援センター(資源環境研究課), 研究員(統括・上席) (30502166)
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研究分担者 |
阪上 浩 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60372645)
堤 理恵 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (80510172)
大西 康太 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (80723816)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 阿波すず香 / 抗肥満効果 / 脂肪蓄積抑制 / ランダム化二重盲検試験 / 香酸柑橘 / 脂肪細胞 / 分化抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満は生活習慣病などの主な発症要因であり,原因は脂肪細胞の肥大化による脂肪組織重量の増加であるが,その機構を直接制御する治療法は確立されていない。一方,肥満の治療において,機能性成分の投与効果が近年注目され,中でも,柑橘類は果皮抽出物を中心に抗肥満作用が注目されている。 申請者らは「阿波すず香」果皮抽出エキスを脂肪前駆細胞に処理すると,脂肪細胞の分化及び脂肪蓄積が抑制されることを見いだした。さらに,高脂肪食誘導性肥満モデル動物においても内臓脂肪が減少した。そこで、この機能性成分を同定し、脂肪細胞の分化・脂肪蓄積を抑制する機構を解明し、新規成分を標的とした新たな肥満などの治療について検討する。
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研究成果の概要 |
阿波すず香は2017年に徳島県が育成した香酸カンキツであり、果皮に苦みが少ないため食することが特徴である。本研究では、阿波すず香果皮の抗肥満効果について動物における摂餌試験、培養細胞への添加試験、ヒトにおける安全性評価及び抗肥満効果検証のためのランダム化二重盲検試験を行った。動物への摂餌試験では、血糖値上昇抑制、内臓脂肪、皮下脂肪重量の減少効果が認められ、抽出物を用いた培養細胞試験においては、脂肪細胞の分化抑制と脂肪細胞合成関連遺伝子の発現抑制が認められた。ヒト試験においては、果皮錠剤の安全性は認められた。血糖値、HbA1c、中性脂肪、LDLコレステロール値は有意な変化を認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では農業の発展と健康を目的に育種された阿波すず香の機能性を明らかにすることを目的として行なった。阿波すず香は果皮を食することができ香酸カンキツの可食部を増加させる。近年農業、特にカンキツの栽培後継者が少ない理由のひとつに重量当たりの価格の低さがあり、こうした社会的意義を期待し、健康維持増進効果を見出すことで、農作物の価格向上を目指す。健康増進を目指した研究として、近年増加する肥満に注目した。動物においては糖負荷試験に与える影響を明らかにし、細胞を用いてその機序を明確にした。また、ヒト試験として中高年を対象としてランダム化試験を行い、安全性を評価したことが意義として大きいと考える。
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