研究課題/領域番号 |
21K05471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
東村 泰希 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (70628924)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ゴブレット細胞 / ムチン / 大腸がん / 炎症性腸疾患 / 糖鎖 / Bach1 / レクチン / bach1 / 杯細胞 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸粘液層の脆弱化は大腸がん発症に関与することから,粘液層を強固に保つことが大腸がん予防において肝要である.しかし,大腸粘液の質的・量的な制御機構に関しては未だ不明な点が多く,粘液層を標的とした大腸がん予防確立における問題点となっている.申請者はこれまでに,抗酸化経路と腸管疾患に関する研究を展開しており,中でも抗酸化酵素群の発現を制御する転写抑制因子であるBach1に着目している.本研究では,Bach1が大腸粘液の性状を制御する様相を分子レベルで解析し,大腸がん予防におけるBach1制御の意義について明らかにすることを研究目的とする.
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研究成果の概要 |
大腸粘液層の脆弱化は大腸がん発症に関与することから,粘液層を強固に保つことが大腸がん予防において肝要である.しかし,大腸における粘液分泌機構に関しては未だ不明な点が多く,粘液分泌を起点とした大腸がん予防確立における問題点となっている.申請者は本課題において,転写抑制因子であるBach1が大腸粘液の質的制御に関わることを見出した.遺伝子改変マウスを用いた結果より,Bach1欠損に伴い,ムチン糖鎖におけるシアル酸やN-アセチルガラクトサミンが増加することが観察され,その作用機序として糖鎖修飾酵素の発現変動が関与する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦における大腸がん罹患者は増加の一途を辿っている.また,大腸がんの発症には,大腸粘液層の脆弱化が深く関与する.本研究では,転写抑制因子であるBach1が大腸粘液の質的制御に関わることが新たに判明した.従って,Bach1は大腸がん予防における新たな分子標的となる可能性が示唆された.また,大腸粘液層の脆弱化に伴う腸管炎症は,大腸がん以外にも,糖尿病など多くの疾患発症と密接に関与している.そのため,上述の研究成果は多くの疾病の予防や進行抑制に対して大きな波及効果をもたらすことが期待できる.
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