研究課題/領域番号 |
21K05516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
最相 大輔 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (90325126)
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研究分担者 |
岡田 吉弘 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上級研究員 (70391456)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | オオムギ / 温暖化 / 収量 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化は作物の生長の生活環全体にわたって影響を及ぼし、生産性に深刻な影響を与える。育種は集中的な交配と選抜によって適応を加速するプロセスであり、標的となる遺伝子が定まって且つ十分な変異が活用されれば、気候変動シナリオに先制的に対処できる可能性がある。オオムギには稔実歩合に幅広い遺伝変異があり、高温環境下でも1株収量を低下させない遺伝的改良の可能性があることから、本申請課題では沖縄の高温環境を地球温暖化環境に見立てて、温暖化環境下での安定生産に必要な遺伝構造の解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
本課題では沖縄の高温環境を地球温暖化環境に見立てて、温暖化環境下での安定生産に必要な遺伝構造の解明に取り組んだ。国内産ビール大麦品種『はるな二条』は沖縄圃場では稔実歩合が低下し一株収量が減少する一方、オオムギ遺伝資源には稔実歩合に幅広い種内変異があることから、『はるな二条』背景のCSSLsを材料に『はるな二条』の稔実歩合を低下させる遺伝構造の解明に取り組み、稔実歩合を改善するQTLを1つ見出した。沖縄おける収量性試験を実施した結果、選抜したNILは沖縄圃場では『はるな二条』に対して子実収量が増加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で同定したQTLは糸満環境で特異的に生じる不稔を回復する効果を持つが、倉敷環境では稔性に影響しないことから、日本産ビール大麦(はるな二条)の遺伝背景が亜熱帯環境(糸満圃場)との相互作用によって生じる一株収量低下の遺伝的メカニズムを紐解く扉を拓き、温暖化に対してオオムギ自然変異を育種的に活用する成果となる可能性がある。 今後、土壌移動と人工気象環境を組み合わせて、より安定して対象形質が発現する実験系を確立し、原因遺伝子の絞り込みを進め、糸満圃場で稔実歩合が低下するメカニズムの理解を深め、高温環境下でも1株収量を低下させない育種素材として利用拡大を図る。
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