研究課題/領域番号 |
21K05571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
岸本 久太郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (60546737)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 香り / 切り花 / カーネーション / フェニルプロパノイド / 単糖 / 二糖 / 芳香族化合物 / ポストハーベスト |
研究開始時の研究の概要 |
一般に、花の香りは、花が老化するときに衰える。これは花の老化を誘導する植物ホルモン(エチレン)が、花の香りを作る酵素の遺伝子の働きを抑制するからである。しかし、切り花では、花が老化する前に、香りが急速に衰えることがある。研究者は、カーネーションの切り花では、収穫した直後に特定の糖類を作る酵素の遺伝子の働きが低下することを見出した。そこで、香気成分の原材料であるこれらの糖類の減少が、切り花において香りが急速に衰える原因であるという仮説を立てた。本研究では、切り花だけで減少する糖類を見出し、この糖類を切り花に補充することにより、香りの発散が回復するか検討し、この仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
カーネーションの切り花における香りの減少は、花弁内のフェニルプロパノイドの減少が直接的な原因であると考えられる。このフェニルプロパノイドの減少は、フェニルアラニンから桂皮酸を生合成する過程の抑制が要因と推定されるが、この抑制は、この過程を触媒する酵素量の減少とは異なる機構であると推定される。また、S-アデノシルメチオニンからのメチル基の供給の減少も香りが失われる要因の一つと推定される。 二糖や単糖処理は、こうした香りの抑制機構を解除する効果があると推定され、切り花の香り向上技術として応用できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:切り花において香りが失われる要因の一つが、香り(揮発フェニルプロパノイド)の基質となるフェニルプロパノイドの減少であること、また、この減少の原因と目される代謝過程を特定した。さらに、切り花への二糖や単糖処理は、この香りの抑制機構を解除すると推定され、発散香気成分量を増加せる作用をあることを見出した。 社会的意義:世界初となる切り花の香り保持剤の開発に応用可能な新知見を示した。
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