研究課題/領域番号 |
21K05575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2022-2023) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
山崎 彬 近畿大学, 農学部, 助教 (90895418)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | トウガラシ / 着果不良 / 花粉発芽率 / 高温ストレス / 地球温暖化 / 施設園芸 / 高温着果性 / 花粉 / 高温期 |
研究開始時の研究の概要 |
もし作物が40℃を超える高温下でも次々に着果する「高温着果性」を持てば,地球温暖化による減収を抑えられるであろう.しかし実際には,高温着果性を示す植物はほとんど知られていない.申請者は,高温期に着果しないトウガラシを交雑した結果,高温着果性を有するF1雑種が得られることを偶然に発見した.さらに,これらの植物から高温着果性を制御する2遺伝子領域を見出した.高温期に着果しない品種同士の交雑が高温着果性を生み出す仕組みを解明できれば,多くの果菜類や果樹で高温下の着果不良を解決する重大な糸口になるはずだ.本研究では高温着果性の原因遺伝子を特定し,F1雑種トウガラシの高温着果機構を解明する.
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研究成果の概要 |
地球温暖化による高温ストレスは農業生産にとって深刻な課題である。これまでに高温着果性を持たない2品種のトウガラシの交雑により高温着果性を持つF1雑種が作出された。本研究ではF1雑種が高温着果性を獲得した原因の究明に取り組んだ。F2集団では、高温着果性と関連する2つの遺伝子領域が存在したが、自殖により作出したF5集団には高温着果性を示す個体は出現しなかったため、ヘテロシスが関与する可能性が示唆された。また、両親品種間での高温ストレスへの花粉発達過程の反応の違いが明らかになった。異なる高温への応答を持つ品種を交雑することで、高温耐性のある個体が作出できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温ストレス下で生殖能力や着果性を保つためには、高温着果性を有する植物の遺伝的基盤を理解することが重要である。本研究では、高温着果性を持つF1雑種の遺伝子解析を通じて、新たな高温着果性品種の育成に向けた知見を提供した。また、簡易的な花粉発芽率の評価手法を確立し、高温着果性品種のスクリーニングを行った。これにより、品種改良への有用な材料が得られた。本研究の成果は、地球温暖化による高温ストレスが農業生産に与える影響を軽減し、食料安全保障の向上と持続可能な農業の実現に貢献する。
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