研究課題/領域番号 |
21K05592
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
古谷 綾子 茨城大学, 遺伝子実験施設, 助教 (30570270)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 6型分泌系 / 葉面細菌 / 植物細菌病 / 病害防除 / 植物細菌病害 / 植物保護 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌は多様な分泌装置をもっており、それらを環境への適応、恒常性の維持、病原性発揮に利用している。グラム陰性細菌がもつ6型分泌システムは、毒性タンパク質を他細菌の細胞に送り込むことで標的細胞を死滅させることで知られている。本研究は、植物の葉面に存在する病原性のない細菌の6型分泌システムを利用して植物細菌病害を防除するという新たな技術の開発の基盤を構築することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究は、植物葉面細菌の6型分泌系を利用した植物細菌病害の防除技術の開発に資する基盤構築を目的とする。有機栽培された健全なアブラナ科植物の葉面から植物病原細菌(アブラナ科黒腐病菌およびアブラナ科黒斑細菌病菌)の増殖を抑制し、それらの細菌による病害を抑制する細菌を選抜した。選抜した細菌のDNA解析により、6型分泌系の構築に関与すると推測される遺伝子群を2組有することを確認した。さらに、それらの変異株を用いた試験により、少なくとも一方の分泌系が病原細菌の増殖抑制において役割を果たすことを示唆する知見を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物細菌病害の防除は主に銅剤や抗生物質が用いられている。しかし、それらの多用による耐性菌の発生や環境微生物への影響が懸念される。農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」では、環境負荷の低減と持続的な農業生産の確保のため、2050年までに化学農薬使用量(リスク換算)を50%低減する目標を設定している。本研究により、葉面細菌の6型分泌系という生物機能を利用した植物の細菌病害防除の可能性が示唆された。化学薬剤による防除体系を補助する技術として期待されるが、複雑な生物間相互作用のある農業現場でも植物病害防除に細菌の6型分泌系という生物機能を利用できるかについては今後のさらなる検証が必要である。
|