研究課題/領域番号 |
21K05634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
角田 恒雄 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (80446575)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 古代DNA / 生物多様性保全 / 南方試料 / 海生哺乳類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では現生ジュゴンの全ゲノム配列を決定、リファレンスデータとして活用することで、沖縄県の各遺跡から出土する骨試料や県下の博物館・資料館に保管されている近現代の骨標本から遺伝情報を獲得し解析を行う。より多くの骨試料を分析対象としてミトコンドリア全ゲノム分析、さらには核ゲノムの分析を視野に入れ、琉球列島周辺に生息するジュゴンの遺伝的多様性と歴史的な変遷、そして遺伝学的データから考察できる本種の沖縄海域集団のルーツを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では次世代シークエンサー(NGS)を用いて遺跡出土したジュゴン骨を対象とし、古代DNAの分析から当時の遺伝的多様性の推定を目的とした。遺跡出土ジュゴン骨の古代DNA残存量は僅かであることが判明しているため、各試料のDNAを濃縮・増幅することで分析の進行をはかったが、入手していた試料では濃縮と増幅が確認できなかった。そこで新たな遺跡資料にアクセスし、対象種DNAの濃縮と増幅実験を進めたが、さらなる詳細な分析を進めることができなかった。この原因として出土ジュゴン骨における古代DNA残存率は予想よりも遥かに少なく、古代人をはじめとする遺跡骨以上に対象資料の精査が非常に重要であることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物保全・生物地理学において遺伝的多様性は重要な項目であり、対象生物の歴史的変遷を辿る古代DNA分析は、次世代シークエンサーによる分析によって、ミトコンドリアゲノムそして核ゲノムの解析まで可能となってきている。一方で、高温多湿地域から出土する遺跡骨の古代DNAは、寒冷地域と比較して残存率は概ね低いことが多く報告されている。本研究ではわが国南端に位置する遺跡出土骨を対象としたが、古人骨では古代DNAの残存が高いとされている部位でも対象種によって、その残存率に違いがあることが明らかになった。高温多湿地域の古代DNA分析では資料の選定は最も優先すべきであり、試料量も対象種によって熟考する必要がある。
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