研究課題/領域番号 |
21K05665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
斎藤 仁志 岩手大学, 農学部, 准教授 (60637130)
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研究分担者 |
光田 靖 宮崎大学, 農学部, 教授 (30414494)
當山 啓介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (00613001)
白澤 紘明 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50629186)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゾーニング / 木材生産 / 災害リスク / 森林路網 / GIS / 地位指数 / 利用可能量 / 災害危険度 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動による集中豪雨の頻発、皆伐面積の拡大等によって、山地災害リスクは上昇しているなかで、持続的な木材生産を進めていくためには、災害リスクが低く、効率的に生産可能な林分を明らかにする必要がある。本研究では、詳細な地形情報を活用した山地災害の防災情報と、地位、作業性、収益性等の森林経営情報を組み合わせ、低リスクで生産に適した林分(林業適地)を把握する手法を構築する。構築した手法に基づき、各地域で適合する樹種、資源賦存状況、路網配置、適応する作業システム等を考慮し、山地災害リスクの低さと、効率的な林業を両立させた条件下での木質資源供給可能量を提示する。
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研究実績の概要 |
災害リスクを考慮した木材供給可能量を推計するため、以下の項目について研究を実施した 1.岩手県全域の市町村民有林を対象に、収益性、災害リスクを軸とした4象限でゾーニングを行った。ゾーニングの条件として、収益性は標準的な地位、車両系集材が可能、路網から400mの距離よりも近いものを良好な条件とし、災害リスクは傾斜30度以上、地形の複雑さは保安林と同程度、流域に保全対象を含む条件において、高リスクとした。その結果、岩手県の約半数の面積が生産適地である一方、生産適地かつ高災害リスクの林分はは全体の33%ほどになり、低リスクかつ高収益の林業適地は多くはなく、リスクを考慮しながらの供給量を計画することが重要であることが示唆された。 2.林業適地抽出の精度向上のために重要な要因である地位指数と表層崩壊危険度の推定モデルについて改良を試みた。地位指数推定モデルについては、2時点の樹高データを用いることで、林齢情報を必要としない推定方法を開発した。災害リスクに軸の評価として重要な表層崩壊危険度推定モデルについては、2時期の航空機LiDARデータから崩壊地を抽出してモデル開発を行った。抽出した崩壊地に対して、非崩壊地を選定する際に崩壊地との類似度を用いることによって、モデルの再現性と汎用性をコントロールした。 本研究の成果として、災害リスクを考慮することでリスクの少ない木材生産適地は大きく制限されることが示された。高収益、高リスクの林分を対象とした施業では、災害リスクを低減するために、施業方法、路網整備・維持管理費等で生産費が増加するものの、一定範囲は生産対象としても見込めることが示唆された。また、林業適地ではCTLシステムを導入することで、より効率的な生産も可能であることも確認された。この結果から、適切なゾーニング結果から将来の木材供給可能量を推計することが重要であることが示された。
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