研究課題/領域番号 |
21K05682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 智之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (20633001)
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研究分担者 |
香川 聡 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353635)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 環境変化 / 気候変動 / 年輪の安定同位体比 / 針広混交林 / 北方林 / 落葉広葉樹 / 針葉樹 / 長期的動態 / 年輪解析 / 安定同位体比 / 二酸化炭素濃度上昇 / 種組成変化 / 年輪 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、北海道の天然林(北方林)において、どこで、どのように、なぜ落葉広葉樹が増えているのか、という問いの解明に取り組む。まず、(1)北海道の多地点の長期毎木調査データの解析によって、どこで落葉広葉樹が増えているかを解析する。次に、(2)東京大学北海道演習林の開設当時(1899年)からの資料を解析することで、施業・攪乱・環境変化が落葉広葉樹の増加に与える影響を明らかにする。最後に(3)年輪による肥大成長量の解析と、年輪の安定同位体分析を組みわせることで、環境変化応答の落葉樹・針葉樹の比較を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、世界的に報告されている北方林における落葉広葉樹の増加の普遍性の検証、メカニズムの解明をするために、北海道全域の天然林を対象に、落葉広葉樹率の変化が地理的にどのように起きているのか、20世紀初頭から変化し続けているのか、落葉広葉樹・針葉樹がそれぞれどのように環境変化に応答しているのか、を検証する。そのために、(1)多地点データによる落葉広葉樹率変化の地理的パターンの解析、(2)歴史的資料解析による落葉広葉樹率の20世紀中の変化の解析、(3)年輪データ解析による環境変化応答の落葉樹・針葉樹の比較を行う計画となっている。 本年度は、(1)については引き続き文献調査を行い、関連する先行研究事例やデータを収集した。(2)については、データ解析をさらに進め、その成果について海外における研究集会で発表するとともに、論文執筆を進めた。(3)については、新たに北海道演習林に保管されていた年輪解析資料を数値データ化した。これらデータを追加したうえで、さらに詳細な解析を行った。その結果、針葉樹・広葉樹ともに6月の気温や5月の降水量が成長に大きく影響することが示唆された。さらに、2021年に円板を採取した個体のうち8個体について、年輪の安定同位体比の分析を進めた。8個体からそれぞれ100年分の年輪を採取したため、計8000サンプルについて安定同位体分析のための前処理を行った。2023年度に安定同位体比の測定を行い、樹木の生長と安定同位体比、さらには環境要因との関係性の解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的には、計画通りに進行している。課題(1)の進捗がやや遅れているが、課題(2)および(3)の情報収集、分析、解析が想定以上に進んでいるため、全体としては順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続き課題(1)の北海道内における広域の多地点のデータの収集を進める。集めたデータをもとに、北海道内の広域的な落葉広葉樹の割合の変化を定量化する。課題(2)については、学会等で発表を行うとともに論文執筆を進める。課題(3)については、年輪の安定同位体比の分析を完了し、そこからわかる樹木の水利用効率や環境の水分条件の変化と、年輪幅の関係を解析する。その結果をもとに、どのような環境要因が、針葉樹および落葉広葉樹の成長量変化に寄与しているかを明らかにし、論文にまとめる。
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