研究課題/領域番号 |
21K05695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
西園 朋広 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90353797)
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研究分担者 |
福本 桂子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (30822712)
高嶋 敦史 琉球大学, 農学部, 助教 (40433099)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 高齢林 / スギ林 / 天然林 / 固定試験地 / 成長量 / スギ / 成長の低下 / 長期モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,わが国のスギ林を対象に,森林の成長に関する新・旧の仮説を検証する。仮説検証のために,まず,①人工林の長期モニタリングデータを用いて若齢期のピークの有無を明らかにする。次に,②高齢人工林・高齢天然林の長期モニタリングデータを用いて高齢期に成長は低下してゼロに収束するかどうかを明らかにする。以上から,どの仮説が適切かを明らかにする。また,林分葉量等の経時的推移を明らかにし,両者の挙動に基づいて,仮説が支持された要因を明らかにする。本研究は森林の成長量の推移を規定する機構を理解することに貢献できる。また,スギ林の伐期をどのように設定すべきかの指針を示すことができる。
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研究実績の概要 |
昨年実施した秋田天然スギ林に設置された固定試験地の定期調査について、データ整理を進めると共に補足調査を実施した。具体的には、2021年11月に胸高直径・樹高・枝下高を測定した固定試験地において、さらに、2022年5月に補足調査を実施した。これらのデータから林分構成値や林分材積純成長量の経時変化を調べた。上層樹高の推移と秋田スギ人工林収穫表の主林木平均樹高の推移との比較から、同林分は地位上と中の中間に位置すると思われる。林分材積純成長量は、最小で2.9(m3/ha/年),最大で32.8(m3/ha/年)を示し、調査期間中の増減が大きかった。全般的には、林齢170年頃が大きく、その後は減少する傾向があった。林齢200~264年の期間の成長量は7.7(m3/ha/年)であり、収穫表の地位中・下の林齢100年の値と近かった。これらの結果は、林齢200年以上のスギ天然林において、成長量はゼロにはならず、林齢100年のスギ人工林と同程度の成長が可能であることを示している。今後、同試験地の近隣に存在するスギ人工林試験地の成長経過との比較を実施し、さらに検討を進める予定である。 また、ヤクスギ林に設置された固定試験地(1.0ha)において毎木調査を実施した。2022年9月に、同試験区内の全個体について、胸高直径を測定した。また、一部個体については樹高を測定した。2022年時点の針葉樹の林分構成値は、平均直径で85.4(cm)、断面積合計で101.1 (m2/ha)、林分材積で1041.4(m3/ha)、本数密度で145(本/ha)であった。上層木の樹高はスギで26.9mであり、秋田スギと比べて小さかった。過去の測定データと併せて成長量を算出し、さらに検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに計測した固定試験地データの整理、解析、学会発表を進めるとともに、ヤクスギの天然林固定試験地において再測を行い、スギ林における成長のデータを追加した。当初の目的に沿った形で研究を遂行しており、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は概ね予定通りに進んでいる。データの収集と解析を予定通りに進める。
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