研究課題/領域番号 |
21K05708
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
会見 忠則 鳥取大学, 農学部, 教授 (90264928)
|
研究分担者 |
一柳 剛 鳥取大学, 農学部, 教授 (00302240)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | Tyrosol / Quorum sensing / Annulohypoxylon / Tremella / life cycle / mating compatibility / bipolar / heterothallic / シロキクラゲ / 細胞間コミュニケーション / クロコブタケ / 人工栽培 / 炭酸ガス |
研究開始時の研究の概要 |
シロキクラゲは,薬用効果や美容効果が期待される担子菌門に属するきのこであるが,単独では,酵母型の増殖を行い,自らは,酵母型から,菌糸型に形態を変えることができず,子実体を発生することもない.しかし,クロコブタケという子嚢菌門に属する分類学上,大きく異なる種類のきのこが共存すると,酵母型から菌糸型に変身し,子実体すなわち“きのこ”を発生するという,特異な性質をもっている.本研究では,この担子菌類と子嚢菌類のコミュニケーション機構を解明し,それを,シロキクラゲの人工栽培技術開発に応用しようとするものである.
|
研究成果の概要 |
本研究では,日本産シロキクラゲ(Tremella yokohamensis)が,heterothallicな生活環をもち,二極性の交配システムを有していることを明らかにした.本菌の交配型をaおよびαと定義した.aおよびαの和合性の組み合わせの酵母様細胞を,低塩野菜ジュース寒天培地上で混合培養すると,クランプ細胞をもつ菌糸体を誘導できたが,菌糸体のまま維持,増殖させることはできなかった.また,Tremella属菌の菌糸体は,Annulohypoxylon属の分泌するTyrosolにより誘導できることが明らかとなり,これは担子菌類と子嚢菌類間のQuorum sensingの初めての報告である.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本産シロキクラゲが,ヘテロサリックな生活環であることと二極性の交配型をもつことを明らかにしたことは,本菌の育種技術開発に重要な知見を与えた.また,シロキクラゲのコンパニオン菌であるクロコブタケ属菌が,Tyrosolを生産することを発見し,そのTyrosolが,シロキクラゲの菌糸体を誘導できることを示したことから,子嚢菌と担子菌のQuorum sensingの実例を初めて示すことができ,シロキクラゲの純粋培養による人工栽培への道を切り開くことができたものと考えられる.
|