研究課題/領域番号 |
21K05710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
霜村 典宏 鳥取大学, 農学部, 教授 (00250093)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 外生菌根菌 / ショウロ / ヘルパー細菌 / クロマツ / 特異的作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,菌根性食用きのこ(ショウロ)子実体から分離したヘルパー細菌の役割解明に関する研究の深化を目指す.ヘルパー細菌と菌根性きのことの特異的相互作用の解析,特異性決定因子の解明,および,細菌の菌糸細胞内での局在性を調査することで,本ヘルパー細菌の宿主特異的作用メカニズムを解明する.本研究課題で得られる知見は,細菌と菌類とが繰り広げる相互作用に関する新しい研究領域の開拓や,細胞内侵入細菌を利用した菌根性きのこの機能性強化に関する応用研究の発展に寄与すると期待される.
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研究成果の概要 |
ショウロ子実体から分離した細菌のショウロ菌糸生育に及ぼす効果を、2区画寒天培養検定法で調査したところ、本細菌とショウロ菌間の相互作用に有機酸が関与していることが判明した。本細菌はクロマツと共生するきのこ菌株系統に対して特異的に生育を促進した。また、本きのこ菌株系統特異性に関与する物質は低濃度の水溶性物質であると考えられた。一方、継代培養したショウロ菌糸からも細菌が分離できた。さらには、本細菌はショウロがクロマツに菌根を形成することを促進するヘルパー細菌であること、クロマツ根の生育を促進する効果を有すること、さらには、菌根を介してのストレス耐性の増強に関与していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ショウロ子実体由来細菌はクロマツと共生するきのこ菌株系統に対して特異的に作用し、その作用には植物から分泌されと思われる有機酸が関与していることが示唆された。即ち、植物が生産する有機酸を細菌が認識してショウロ菌糸の生育を促進する特異的物質を生産し、菌根共生する新規性のある仮説を提案することができた。従って、本研究は外生菌根共生に関する基礎的知見の蓄積に寄与する。また、本細菌はショウロの菌根形成を促進するのみならず、クロマツ根の生育促進やストレス耐性の強化にも関与していることも明らかにすることができたため、本研究は細菌を用いたショウロ感染苗木の育成やきのこ栽培等の応用研究の発展にも貢献する。
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