研究課題/領域番号 |
21K05733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
横山 博 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (70261956)
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研究分担者 |
柳田 哲矢 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (40431837)
白樫 正 近畿大学, 水産研究所, 准教授 (70565936)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 寄生虫 / 微胞子虫 / サケマス類 / 病害性 / 生活環 / マス類 / 琵琶湖 / リアルタイムPCR |
研究開始時の研究の概要 |
琵琶湖産マス類に寄生する微胞子虫類は、スジエビとマス類を交互に宿主とする二宿主性生活環をもつと疑われる。本研究では、①微細構造観察と遺伝子解析により微胞子虫の属種を決定②スジエビとマス類を用いた双方向感染実験により生活環を解明③スジエビを様々な魚種に経口投与して魚種間における病害性の違いを明確化④琵琶湖における本微胞子虫の感染動態を解明し、在来魚や有害外来魚の個体群に影響を与える可能性を考察する。
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研究成果の概要 |
琵琶湖産マス類の筋肉および心臓に寄生する新しい微胞子虫症に関して、分子生物学的および超微細形態学的に病原虫を解析し、Inodosporus fujiokaiと命名した。琵琶湖産スジエビ体内の発育ステージを用いた魚への人為感染法を標準化し、様々な魚種に感染させた結果、I. fujiokaiはマス類の種間でも感受性に差があり、コイ科魚類にも感染することが示された。さらに、本虫のリアルタイムPCR法を開発し、人為感染アマゴの魚体内動態を明らかにするとともに、ブラックバスなどサンフィッシュ科への軽度感染も実証された。病理組織学的解析より、感染ニジマスの死因は心臓寄生による心筋炎であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、魚類寄生性微胞子虫類で魚類以外の宿主が介在する例は皆無であったが、他の動物群に寄生する微胞子虫では、蚊と水生ミジンコ類を交互に寄生する種類が記載されている。魚類寄生種でも魚類だけでの人為感染が成功しない例が数多くあるのみならず、エビ類寄生種と魚類寄生種のリボソームDNAの塩基配列が同一である種類も報告されている。本研究により、魚類と甲殻類を交互に宿主とする微胞子虫の生活環が解明されれば、他の魚類寄生種についても同様の生活環をもつことが示唆され、寄生虫学的な意義があるのみならず、感染メカニズムが解明され感染防除法が確立されることで、魚病学的さらに社会的な意義があることは明白である。
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