研究課題/領域番号 |
21K05769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
片桐 孝之 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (50361811)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | MHCの多様性 / アジュバント / 魚類ワクチン / MHCの多型性 / ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
現在、魚類養殖の防疫対策は、「ワクチンを利用した予防」が主流である。特に、細菌感染症に対しては、多くのワクチンが発売され、生産者の経済的損失を軽減し、社会に多大な恩恵をもたらしている。このような、成功事例がある一方、特別な性質を持つ細胞内寄生菌による感染症は未だに猛威をふるっており、十分な予防効果が得られているワクチンの開発には成功していない。細胞内寄生菌を排除するには、感染した宿主細胞ごと殺菌できる細胞性免疫を特異的に活性化する必要がある。本研究では、魚個体間の主要組織適合抗原(MHC)の多型性に視点をおき、別個体に接種した血液を細胞性免疫活性化のアジュバントとして利用するものである。
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研究成果の概要 |
養殖における魚類エドワジエラ症に対するワクチンは、本菌が細胞内寄生病原体であることから、十分な効果が得られていない。これに対し、本研究では、系統の異なるクローンギンブナの血液をアジュバントとして細胞性免疫を活性化することにより、ホルマリン死菌を投与することで、ある程度のワクチン効果を得ることが出来た。また、MHCクラスIのみを発現していると考えられる赤血球の投与においてもFKCのワクチン効果が得られたこと。異系統の血球とFKCの同時投与でも効果が認められたことから、実用化を視野に入れた場合、その作業は比較的容易であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特別な性質を持つ細胞内寄生菌によるエドワジェラ感染症は未だに魚類養殖業において猛威をふるっており、十分な予防効果が得られているワクチンの開発には成功していない。本研究では、魚個体間の主要組織適合抗原(MHC)の多型性に視点をおき、別個体に接種した血液を細胞性免疫活性化のアジュバントとして利用しようとする新しい試みである。 研究の結果、MHCの異なるギンブナの血液注射は、レシピエントにE. tardaホルマリン死菌体投与にするとエドワジエラ症に対して強い免疫を獲得し、攻撃試験において有意な死亡率の低下さた。また両注射を同時に行うことも可能で、作業が軽減できることが示唆された。
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