研究課題/領域番号 |
21K05835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
櫻井 伸治 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 講師 (30531032)
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研究分担者 |
中桐 貴生 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (80301430)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 重金属 / 土壌 / 化学形態 / pH / 酸化還元電位 / 灌漑水 / 銅 / 不動化 / 酸化還元状態 / 可給性 / 有機質資材 |
研究開始時の研究の概要 |
工業排水など各種排水が適正な処理を経ず,それが農用地に灌漑されることによって,土壌が重金属によって広範囲に汚染されることがある.しかし,経済面,労力面さらに食糧生産の持続性の観点から,安全なレベルまで重金属を除染することは現実的ではない.本研究では,こうした汚染土壌においても重金属が農作物に移行しない土壌管理を模索しており,その方策として農用地への有機質資材の投与に着目した.本研究では,重金属添加土壌バッチ試験を通して,土壌pH,酸化還元電位(ORP),吸着の3要因に絞って注目し,有機質資材による重金属の移行抑制の機序,さらに各要因の重金属不動化への寄与度を把握する.
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研究実績の概要 |
工業廃水が適正な処理を経ず農用地に灌漑されている地域では、重金属によって土壌が広範囲に汚染されている現状にあり,有機質資材(資材)による農作物への移行を抑制(不動化)する試みがなされている.資材の不動化効果は種類によって異なることが明らかとなったが、どのような要因(特に物理化学的要因)によって重金属の移行が抑制されているかを特定するまでは至っていない.本研究では、資材(特に牛ふん堆肥(CM)に着目して)による重金属の移行抑制の機序について、重金属添加土壌バッチ試験を実施して実証的に把握することを目的とした.最終年度ならびに全研究期間を通じて下記のことが判った.
1.湛水がCMの重金属不動化に及ぼす影響:圃場容水量(非湛水)条件で重金属不動化効果が顕著に認められたCMが、湛水条件下でも重金属(特にCu)をほぼ同等の効果を発現することが確認できた.しかし、重金属種や土壌の種類によっては、非湛水時よりも水溶性が高まるなどの負の効果も見られた. 2.灌漑水のpHが及ぼす土壌中のCu化学形態やCMの重金属不動化効果への影響:灌漑水pHによる土壌中のCu化学形態やCMの不動化効果の変容を明らかにした.灌漑水pHのCu化学形態への影響は、CM無投与の場合2か月程度残存することが判った.一方、CM投与によって、灌漑直後はCu化学形態へ影響が生じるものの、1ヵ月も経過するとその影響は低減し、不動化効果が発現された. 3.湛水・非湛水切り替えによる土壌中の重金属の化学形態変化:湛水から非湛水、または非湛水から湛水への切り替えによる重金属(Cd)の化学形態ならびに土壌中の酸化還元電位の変化を明らかにした.特に非湛水への切り替えによって、土壌の酸化還元電位が急激に変化したものの、両切り替え条件ともにCdは炭酸塩態が支配的で、水管理の切り替えで化学形態に大きな変化は見られなかった.
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