研究課題/領域番号 |
21K05893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
磯部 直樹 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (80284230)
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研究分担者 |
久枝 啓一 岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (20844781)
新居 隆浩 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (90804873)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 乳房炎 / 抗菌物質 / 体細胞数 / ウシ / ヤギ / 免疫関連物質 / S100 / ラクトフェリン / 自然免疫 / 抗菌因子 |
研究開始時の研究の概要 |
乳房炎による被害は深刻であるが,予防・治療法が確立していないため治癒率は低い.申請者は乳房で抗菌因子(多種の微生物を速やかに殺すことができる物質)が合成され,感染防御に重要な役割を果たしていることを見出した.抗菌因子等の自然免疫関連物質が不足すると乳房炎に陥りやすいと発想し,それらに着目した乳房炎予知システム開発の研究立案に至った.そこで本研究では,(1)乳房炎予知可能な自然免疫関連物質の指標を探索し(2)乳房内の自然免疫関連物質増量法を検証する.本手法が確立すると,乳房炎の予防に大きく寄与すると期待できる.
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研究実績の概要 |
乳房炎による被害は深刻であるが,予防・治療法が確立していないため治癒率は低い.乳房内での抗菌物質等の自然免疫関連物質が不足すると乳房炎に陥りやすいと発想し,それらに着目した乳房炎予知・予防システムの開発を目的とした。昨年は,乳房炎予知可能な自然免疫関連物質の指標を探索した結果、平常時の乳中に含まれる免疫関連物質(特にlingual antimicrobial peptide, S100A7)の濃度が高いと、乳房炎にかかりにくいことを予知することができると考えられた。そこで本年は、乳房炎になりやすいウシに対して、予防を強化する目的で、乳中の抗菌物質濃度を増加させる手法の開発を試みた。 ヤギを用いてショート乾乳が乳中抗菌物質を増加させるかどうか検討するため搾乳を3日間停止した後再開した時の抗菌物質の濃度を測定した。その結果、ショート乾乳を施すと乳量は減少した後回復した。また、体細胞数, 乳中Na+, IgA, Cathelicidin-2,およびlactoferrin 濃度は、いずれも搾乳再開後に一時的に上昇し、その後通常濃度に戻った。これらの結果より、搾乳を3 日間休止すると、乳量は減少するが乳中抗菌物質濃度は上昇すると推察された。 また、ワクチンを接種することで抗菌物質が増加するか検討するため、乳房炎用ワクチンをウシ及びヤギに接種し、経時的に乳汁を採取して抗菌物質濃度を調べた。その結果、ワクチンを投与した1~2か月後に乳中S100A7濃度が増加したことから、ワクチンによる抗菌物質産生強化の可能性が示された。 以上の結果から、抗菌物質産生増進により乳房炎を予防できることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗菌物質に着目した乳房炎予知モデルを開発し,予防に結び付けることを目的として研究を進めている。 当初計画では、本年はウシの予知試験の続きおよび、予防試験を開始する予定であった。ウシの予知試験は予想より早めに進捗し、昨年度中に終了したので、すぐに予防試験に入ることができた。本年度は、予防法の構築を目標として、ウシ及びヤギを用いて自然免疫関連物質濃度を増加させる手法の開発を試みた。予防試験もウシ及びヤギにおいて予定通り終了したが、課題も見つかり来年度に持ち越しとなった。 以上のように、「おおむね順調に進行している」と言える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は乳房炎にかかりやすいと予知された動物を救済するために乳中抗菌物質を高発現する手法を探索した。その結果、ワクチン接種により乳中S100A7などの抗菌物質濃度が増加することが分かった。しかし、これらの濃度増加とともに乳量が減少していたため、それによって相対的に抗菌物質濃度が増加した可能性が考えられた。本年はワクチンを接種していない対照区を設定しなかったため、これについて明らかすることができなかった。そこで、今後は対照区を設定し、処理区と比較することでワクチン接種の影響をより詳細に検討することとする。また、ワクチンの接種を2週間おきに数回行い、最適な回数を調べる。
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