研究課題/領域番号 |
21K05907
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
|
研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
岩崎 智仁 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (30305908)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 鶏 / ブロイラー / 胸肉異常 / 筋変性 / 酸化ストレス / ニワトリ / 異常硬化胸肉 / 栄養 / 採卵日齢 / ヒナ品質 / 飼料栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
鶏肉業界で品質低下を伴う種々の異常胸肉が生じているが、現時点で有効な解決策となる生産技術の提案に至っていない。異常胸肉の発現を効果的に予防し、経済的で効率の良い飼育方法を開発し、高品質な鶏肉を供給できるブロイラー飼育システムを構築するための基盤技術の構築を目指す。 これまでに鶏を実験飼育する過程で、飼育前期に発育不良のヒナでは異常に硬化する胸肉(WB)が多く発現する傾向を発見した。市販飼料の栄養価は異常胸肉の発現率に影響し、その発現抑制にユビキチン特異的プロテアーゼの関連を見出した。本研究では、①ヒナの品質がWB発現に及ぼす影響の調査、ならびに②飼育飼料の最適化とWB発現抑制機序の調査を行う。
|
研究実績の概要 |
異常に硬化した胸筋をもったブロイラーを発現することが報告されるようになり,この胸筋は異常硬化胸筋(Wooden Breast,以下WB)と呼ばれ,ブロイラー産業に多大な経済的損失をもたらしている.このような胸筋組織中のミトコンドリアの構造は著しく損傷している.このWBの発現において,種鶏の日齢や孵化の状態が及ぼす影響について,日齢50日前後での胸筋中のリポフスチン蓄積量等を指標に明らかにした,さらに飼料の栄養状態による影響についても調査を加えた.また,USP2の発現量低下が,筋ミトコンドリアのROS蓄積による機能低下や構造崩壊に関わることで,筋細胞(線維)の変性につながる可能性についても調査を進めた.結果として正常と判断できる筋組織においても,数は少ないが空砲筋線維や変性筋線維が認められた.その後の重症度合いの高いステージでは,同様の筋線維の数が増え,結合組織の増成が生じることが明らかになった.電子顕微鏡解析では,通常の筋線維中にちいさな空砲が多く観察された.その空砲内を詳細に調べると空砲の中に,ミトコンドリアの変性構造物が観察され,さらにはその空砲の内側が濃く染色されていたことから,オートファジーの分解段階にあると推測され,その形態は重症度の高いステージでより多く観察された.一方で,供試サンプル数との兼ね合いで非常に判断が難しいところではあるが,USP2とマイトファジーあるいは筋変性との間にわずかな負の相関が認められた.一部の関連遺伝子(炎症,アポトーシス,抗酸化酵素)の発現解析においても同様であった.
|