研究課題/領域番号 |
21K05920
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高木 光博 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (40271746)
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研究分担者 |
宇野 誠一 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 教授 (50381140)
大和 修 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (80261337)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 牛 / 多種類カビ毒 / 繁殖性 / 飼料 / カビ毒防除 / ウシ / カビ毒 / 防除法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、我が国の農場レベルで得られたカビ毒浸潤動態に関する我々の知見を基盤として、 1)既に確立している牛尿中カビ毒測定系を基盤とした新規「尿中多種類カビ毒同時測定系(UMMAS)」の確立、および保存尿サンプルの再測定によるデータベース拡充と再評価、 2)UMMASを用いた我が国各種牛群における多種類カビ毒同時浸潤の実態解明、およびカビ毒同時浸潤が牛群における生体内代謝と繁殖性に与える関連性の新規検証、 3)UMMASデータを指標とした牛群における各種カビ毒防除法の有用性検証と新規カビ毒防除法の検索、を行って我が国の牛群におけるカビ毒浸潤動態の把握とその防除法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本申請課題の目的の1つである、尿中多種類カビ毒同時測定系の新規確立に関しては、これまでに確立しているゼアラレノン(ZEN)とステリグマトシスチン(STC)に加えて、デオキシニバレノール(DON)とフモニシンに関してはすでにLC/MS/MSによる測定系をほぼ確立しており、現在市販のELISA測定キットを用いた簡便な尿中DON測定系確立の可能性について検証を行なっている。牛群におけるカビ毒浸潤動態が牛生体内代謝や繁殖性に与える影響に関する検証では、尿中ZEN濃度と牛卵巣内胞状卵胞数モニターのバイオマーカーである血中抗ミューラー管ホルモン(AMH)濃度との間に負の相関関係があることを明らかにするとともに、炎症性マーカーである血清アミロイドA(SAA)濃度測定とも負の相関を確認しており、現在は試験頭数を増やしながら検証を継続している。さらに、我々のフィールド調査から新規摘発したDON汚染乳用牛群をモデル牛群として、DON汚染が牛群の繁殖性、疾病罹患率に与える影響に関してモニタリング調査を継続している。新規カビ毒防除法確立の一環として継続している、飼料への「オリゴ糖製剤」や「熱処理乳酸菌死菌体製剤」の添加による、尿中カビ毒濃度低減効果の検証に関しては、様々な発育ステージにおける牛群において添加試験を継続中であり、これまでに給与飼料へのオリゴ糖製剤(DFAIII)添加による尿中STC濃度低減効果を初めて報告するとともに、DFA III添加群と無添加群との間の血中低級脂肪酸濃度(腸管内におけるDFAIII発酵状況の確認)を比較検討し、現在論文投稿中である。さらに、黒毛和種哺乳期子牛、及び離乳前子牛を用いた代用乳への熱処理乳酸菌死菌体製剤添加試験を実施し、臨床的な有用性に関する論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請課題においては以下の3研究課題、1)LC/MS/MS法を用いた牛尿中多種類カビ毒同時測定系(UMMAS)の確立、2)異なる地域、飼養環境下の牛群におけるUMMASデータベース作成と臨床的評価、3)UMMASを用いたカビ毒防除法評価と新規防除法の確立、を行う予定であり、1についてはすでに当初想定した測定系確立を終えており、現在は新規摘発したDON汚染乳用牛群をモデル牛群として、簡便なELISA法による尿中DON濃度測定系確立に関する検証試験を行なっている。2と3に関しては上述の通り、フィールドサンプリングを継続中である。特に3に関しては、DFA III添加による腸管内抗炎症作用効果のモニタリングを行うために、ガスクロマトグラフィー法を用いた血清中低級脂肪酸測定法、及び血清アミロイドA濃度測定をすでに終了して、現在得られたデータの論文を投稿中である。さらに、黒毛和種哺乳期子牛を用いた代用乳への熱処理乳酸菌死菌体製剤添加試験を実施し、すでに予定していた全サンプリングと各種測定を終えて、こちらも現在論文投稿中である。以上のことから、おおむね順調に進展しているとの評価を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況で記載の通り、現在研究課題2及び3についての検討を主に行なっており、2に関しては牛群を追加してサンプリング数を増やすとともに、得られたサンプルの測定を継続してデータベースの蓄積を行うこととする。3に関しては上述の通り、血中低級脂肪酸濃度の解析を行って、添加したDFAIIIにより腸管内で明らかに発酵過程を経て、低級脂肪酸合成が行われたことを確認するとともに、DFA III添加により腸管内で発酵生成された脂肪酸が腸管上皮細胞タイトジャンクション機能に良好な影響を与え、結果として消化管バリア機能が向上した可能性の検証を急ぐとともに、熱処理乳酸菌死菌体製剤添加試験のデータの解析作業もあわせて進める予定である。
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