研究課題/領域番号 |
21K05932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
古市 達哉 岩手大学, 農学部, 教授 (30392103)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖ヌクレオチド / 腱 / 軟骨 / CANT1 / SLC35A3 / 運動器疾患 / SLC35D1 / 遺伝子欠損マウス / 等ヌクレオチド / 運動器 / ノックアウトマウス / クリコサミニグリカン |
研究開始時の研究の概要 |
糖ヌクレオチド (NTS) は、糖鎖合成の際に単糖の供給源となる分子 (糖供与体)である。本研究の目的は、NTS代謝関連遺伝子のノックアウトマウスの解析を通して、骨や靭帯などの運動器の恒常性維持におけるNTS代謝の役割を解明することである。現在、先進国では骨粗鬆症、変形性関節症、変形性脊椎症などの運動器疾患が急増しており、治療薬・予防法の開発が急務となっている。本研究から運動器疾患克服の標的となるNTS代謝関連分子を同定し、創薬研究への応用を目指して取り組んでいく。
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研究成果の概要 |
糖ヌクレオチド代謝関連分子の運動器における機能として、以下を示した。(1) Cant1 KOマウス腱ではコラーゲン細繊維の大型化、真円度の低下、集合不全が生じており、デルマタン硫酸含量は著明に減少していた。CANT1はデルマタン硫酸の産生調節を介して腱コラーゲン線維の構築に関与していることが示された。(2) Slc35a3 KOマウスは重度の脊椎形成不全を呈し、出生後、数時間以内に死亡した。KOマウスの成長板では細胞外マトリックスが著明に減少しており、グリコサミノグリカン (GAG) 含量が有意に低下していた。SLC35A3はGAG産生を調節することで、軟骨形成に関与していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化社会を迎えている日本では、運動器疾患が急増しており、その対策が急務となっている。糖鎖は運動器構成細胞の機能においても重要な働きを担っており、糖ヌクレオチド (Nucleotide sugar: NS) 代謝関連分子は運動器疾患治療薬の標的分子になり得る可能性を持っている。本研究によって腱の発生または恒常性維持に関わるNS関連分子としてCANT1、脊椎と軟骨形成に関わるNS関連分子としてSLC35A3を同定することができた。両分子の機能解析を継続し、NS代謝関連分子を標的とした創薬研究へと発展させていきたい。
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