研究課題/領域番号 |
21K05936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
日下部 健 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (20319536)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 網膜 / 補体 / ミクログリア / 胎盤 / ウマ / 遺伝子 / 成長期 / 乳腺 / C3 / C3aR / 硝子体 / 水晶体 / 眼球 / 発生 / 成長 / 哺乳動物 |
研究開始時の研究の概要 |
動物種の中で、新生子の成長が早いものを早成性、遅いものを晩成性と呼ぶ。視覚機能は新生子の成長度を測る重要なパラメーターである。鳥類では網膜の発生、成長過程には補体C3が関わるとされるが、哺乳類では明らかではない。一方で妊娠動物では、胎盤でC3調節因子を産生している。 本研究では哺乳動物の眼球・網膜形成過程におけるC3の関与、および視覚機能の成熟とC3調節因子との関連性を検討する。また、胎盤におけるC3、C3調節因子、網膜や神経組織の形成に関わる因子の種類・動態を調べ、哺乳動物新生子の網膜や脳の成長と胎盤機能の関わりを調べるとともに、および早成性動物の視覚成長を決める因子について解析する。
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研究成果の概要 |
ニワトリでは眼球の発生に補体タンパクC3aと受容体C3aRが関与する。また、哺乳類では胎盤にC3フラグメントタンパクを豊富に含む。本研究では、形成初期のマウス網膜におけるC3a、C3aRを調べたが共に発現は低く、C3フラグメントタンパクは網膜内部に分布していなかった。 マウス新生子の網膜における補体受容体CR3と、ミクログリアとの関連性について検討した。CR3とミクログリアマーカーであるIba1の生後の発現変化、網膜内局在は一致しなかった。 ウマの胎盤における発現遺伝子を調べ、血液への移行について検討した。ANXA2とIT2MBが高頻度に検出されたが、妊娠期の血清と臍帯血で特異的では無かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
補体C3aと受容体C3aRはマウスの眼球形成に関与しないことが分かった。また、新生子の網膜におけるミクログリアの制御に、CR3は関与しないと考えられた。一方で、妊娠期の母体において、とくに乳腺で補体C3のフラグメントタンパクが作られていることが分かった。このことは泌乳によって新生子に補体タンパクが移行し、生理学的な役割を持つ可能性がある。 ウマ胎盤で特異的に作られ、母体血や臍帯血に移行する因子を見つけることは出来なかった。しかし、ウマ胎盤で高発現している遺伝子リストを作成することが出来、このことはウマの妊娠生理や妊娠のモニタリングを行うための重要な研究材料になり得る。
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