研究課題/領域番号 |
21K06026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
松浦 絵里子 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (30534507)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | リボソーム / 翻訳制御 / 翻訳後修飾 / ヒスチジンメチル化 / プロテオスタシス / リボソームタンパク質 / タンパク質のメチル化修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
翻訳装置リボソームを構成するリボソームタンパク質は翻訳後修飾を受ける。我々はヒトにおいてリボソームタンパク質が希少修飾であるヒスチジン残基のメチル化を受けることを発見した。さらに、その修飾酵素のノックアウト細胞では、特異的なコドンにおいてリボソームの翻訳速度が促進していることを見出した。これらの予備的知見は、リボソームにおこる希少修飾がタンパク質合成の速度を調節するという可能性を示すものである。本研究ではこの知見を更に拡大展開し、リボソームタンパク質の修飾を介した翻訳制御機構を解明する。特に、リボソームプロファイリング法やSILAC法を応用した網羅的解析を組み合わせ、この問題にアプローチする。
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研究実績の概要 |
これまでに我々はヒトにおいてリボソームタンパク質RPL3 が希少修飾であるヒスチジン残基のメチル化を受けることを発見した。さらに、その修飾酵素であるMETTL18の ノックアウト細胞では、チロシンコドン特異的にリボソームの翻訳速度が促進していることを見出した。これらの予備的知見は、リボソームにおこる希少修飾がタンパク質合成の速度を調節するという可能性を示すものである。そこで、我々はリボソームプロファイリング法やSILAC 法を応用した網羅的解析を組み合わせ、この可能性にアプローチした。その結果、METTL18ノックアウト細胞では、チロシンコドンを多く含むタンパク質が細胞内で凝集していることが明らかとなった。したがって、METTL18ノックアウト細胞では、RPL3のメイル化の欠損によってチロシンコドンの読み取り速度が速くなり、その結果、チロシンを多く含むタンパク質がFolding不良になっていることが示唆された。2022年度はヒト培養細胞から精製したリボソームとRabbit reticulocyte lysateを用いたin vitro hybrid translation systemを構築し、RPL3のヒスチジンメチル化が直接的にリボソームのチロシンコドン読み取り速度を制御することを証明した。そして、これまでの成果を論文として発表した。本研究によりリボソームタンパク質の修飾を介したタンパク質恒常性 (プロテオスタシス)制御が明らかになると期待される。
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