研究課題/領域番号 |
21K06030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高崎 寛子 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (50610432)
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研究分担者 |
清水 啓史 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (50324158)
安永 卓生 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (60251394)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | チャネルタンパク質 / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 / ナノディスク / 膜タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
カリウムチャネルKcsAは、分子量70k Daと非常に小さく、チャネル機能を示す最小単位と考えられている。その膜貫通部位の構造は、原核生物からヒトに至るまで高く保存され、さらにナトリウムやカルシウムのイオンチャネルとも共通している。このことから、KcsAをイオンチャネルのモデルタンパク質として用い、様々な研究が進められている。 本研究では、クライオ電子顕微鏡・単粒子解析法を用いて、生体内と同じ脂質二重膜内にあるKcsAの高分解能構造を取得し、多様に存在するイオンチャネル間にある共通のゲーティング機構を原子レベルで明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、イオンチャネルのモデルタンパク質であるKcsAの構造解析を行い、多様に存在するイオンチャネル間の共通のゲーティング機構を明らかにすることを目的としている。そのために、ナノディスク技術を用いて、生体内と同じ脂質二重膜内に存在するKcsAを精製し、中性溶液中の閉構造、酸性溶液中の開構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析法を用いて明らかにする。 前年度、KcsAを含むナノディスク形成に成功したものの、大量精製にはいたらず、本格的な構造解析まで到っていない。ナノディスクでの大量精製の検討を行うとともに、ぺプチディスクを用いた精製の検討を始めた。ペプチディスクは、膜タンパク質を内在性脂質のみを利用して精製する方法であり、酸性条件での使用も期待できる。 その他、本年度は、マイクロ流路を用いたKcsAの動体解析において、中性条件から酸性条件、酸性条件から中性条件への溶液変換に成功し、溶液変換によるKcsAの動体変化を観測した。今後、さらにデータ取得を進め、現在考えているKcsAの閉構造から開構造への構造変化モデルを再検討する。また、MDシミュレーションを開始し、KcsAを脂質2重膜内に埋め込み、膜の内外のイオン濃度を変えながら、計算を行なった。現在、電子顕微鏡構造マップによる拘束条件を含め、計算の精密化を進めている。 KcsAのゲーティング機構を解明する準備は着実に整ってきている。生体内に近い状態でのKcsAの構造変化モデルの提唱のため、KcsAの高分解能構造取得を急ぎたい。
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