研究課題/領域番号 |
21K06145
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
須田 恭之 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10553844)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 生体膜 / 膜輸送 / 出芽酵母 / 胞子形成 / 減数分裂 / 膜交通 / 小胞体 / ERES / 細胞生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
出芽酵母の胞子形成では、核をはじめとするオルガネラが細胞質中に新たにつくられる前胞子膜という生体膜に包み込まれ “子のう胞子”が形成される。この過程は、核に含まれる遺伝情報や各オルガネラを次世代へと確実に受け継ぎ、さらに母細胞の寿命をリセットし若返りを成し遂げる有性生殖・配偶子形成のモデルとして捉えられている。これまでに、小胞体機能ドメインERESの形態変化をともなう胞子への分配と細胞骨格による係留を示す結果を得ている。本研究では、これらの現象を司る分子機構を明らかにし、 配偶子形成におけるオルガネラ分配メカニズムを解明することを目的とし、配偶子形成を経た若返りのメカニズムの理解に貢献する。
|
研究成果の概要 |
本研究は、出芽酵母の胞子形成時における小胞体機能ドメインERESの形態変化と胞子への分配を司る分子機構と前胞子膜形成への寄与を明らかにすることを目的として行った。まず、野生株における小胞体、ERESの減数分裂・胞子形成時の挙動、分布について明らかにし、スクリーニングによりそれらに影響を示す変異株を取得した。ライブイメージングにより変異株の表現型を詳細に解析した。その結果、減数分裂時にERESの減少に伴う分泌経路の一過的な停止が認められた。この際、膜交通関連オルガネラは細胞内から消失し、前胞子膜形成後にPP1-Gip1をトリガーとして、その内側にて再形成されることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核生物には老化に伴う個体の寿命が存在するが、配偶子形成を経た世代交代により個体寿命・老化はリセットされる。この現象は胞子形成を経た出芽酵母においても認められている。現在までに、出芽酵母の減数分裂・胞子形成時のオルガネラ分配や前胞子膜は、個体寿命・老化のリセット、すなわち若返りメカニズムへの関与が示唆されている。しかしながらその詳細なメカニズムについては明らかになっていない。本研究により前胞子膜形成のメカニズムの一端が明らかとなった。今後は、取得した変異株における個体寿命リセットなど詳細な解析を通じ、個体寿命・老化との関連などが少しずつ明らかになっていくと期待される。
|